一流の証も「あ、乗りました?」 苦闘の守護神とハグ…山本由伸が見せる大黒柱の振る舞い

ジャイアンツ戦に登板したドジャース・山本由伸【写真:ロイター】
ジャイアンツ戦に登板したドジャース・山本由伸【写真:ロイター】

7回1安打1失点も12勝目お預け「とにかく前を向くしかない」

【MLB】ジャイアンツ 5ー1 ドジャース(日本時間13日・サンフランシスコ)

 悲愴感も感じさせない。ドジャースのクラブハウスはサヨナラ負けで沈んでいたが、山本由伸投手の表情は穏やかだった。バーランダーとの投げ合いで7回1安打1失点。10奪三振と文句なしの力投だったものの、12勝目には結び付かなかった。試合後の取材対応。「フラストレーションは溜まるか?」との問いかけに、首を横に振った。

「自分がどうこうではないですけど、やっぱりチームとしては勝たないといけない状況なので。今日の試合を勝ち切れなかったのは悔しいですけど、とにかく前を向くしかない。とにかく明日の試合を勝てるように全員でやっていけたらなと思います」

 前回登板は9回2死までノーノーの快投を演じたが、降板後の救援したリリーバーが大乱調。最後は守護神スコットがサヨナラ打を浴びた。悪夢のような敗戦だったが、その翌日から試合中にベンチで抱きついたり、練習中は園田通訳を交えて談笑したり……。不振を極める守護神と交流する姿が目立った。

「やっぱり、すごく実力のある選手なだけに、本人も余計に今は苦しいと思うので。とにかくこういった時に、みんなで助けられるチームだと思うので。本人はすごく苦しいと思いますけど、なんとか全員で、カバーしてやっていきたいなと思います」

 今季の投球回数は162回1/3に。移籍2年目で初めて規定投球回数に乗せたが、「あ、乗りました?」。報道陣からの質問で知ったようだった。

「ずっと投げ続けるのはすごくいいことだと思いますし、その中で調子よくいけているので。気を引き締めてプレーして10月に入りたいです」

 エースどころか、大黒柱の振る舞いや風格を漂わせている。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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