「さっきも言いましたけど」 大谷翔平から“NGワード”連発も…17分会見で見えた真髄

試合前日の会見に出席したドジャース・大谷翔平【写真:荒川祐史】
試合前日の会見に出席したドジャース・大谷翔平【写真:荒川祐史】

リーグV決定シリーズの練習日に記者会見、打撃不振の質問が相次いだ

 ドジャース・大谷翔平投手の取材には「NGワード」がある。大谷へ質問した際に「さっきも言いましたけど」と回答されることだ。多くの日米メディアが集結する上に限られた時間。参加者全員が質問できることはまずない。二刀流でブレークしたエンゼルス時代の2021年頃からだろうか。いつからか現場の記者間では意識される言葉となった。

 ブルワーズとのリーグ優勝決定シリーズ第4戦で二刀流に臨む。15日(日本時間16日)は2日後に控える中で記者会見が行われたが、二刀流が打撃に与える影響についての質問が相次いだ。「あまり関係ないと体感では思っている」と繰り返したが、その過程で「さっきも言った通り」「さっきも言いましたけど」。17分の会見で、実に5度のNGワードが出た。大谷が発する言葉にイライラを感じさせないのはさすがだったが、改めて打者・大谷の存在感の大きさを際立たせた。

 投手をやることは打者に影響しない――。2年ぶりに投手復帰した今季は何度も何度も繰り返してきたことだ。ただ、打撃不振に陥るたびに繰り返される。いつも大谷はこう答えている。

「基本的にストライクをしっかり振ってボール球を見逃す。1打席1打席のクオリティを上げていく」。結局はストライク・ボールの見極め。究極にシンプルに考えることが打撃の復調につながると考えているようだ。

 会見後の練習では異例のフリー打撃を行った。シーズン中に屋外で打撃練習をするのはエンゼルス時代の2023年9月以来。移籍後は初めてだった。練習パートナーを務めるヘッドトレーナーのトーマス・アルバート氏は「本当にフィールドで打つのが好きじゃないんだ。スイングを変えるから。屋内ケージにいる時はホームランを打つ必要がない。スイングに集中できる」と語っていた。何とか流れを変えたい思いもあっただろう。

 指名打者で出場する16日(同17日)の第3戦で勝てば、2年連続のワールドシリーズ進出がハッキリと見えてくる。大谷は「第4戦の先発とまずは明日の第3戦のオフェンス面。そこをまずしっかりフォーカスして臨みたいなと思っているので」と前を見据える。復活を予感させる豪快アーチを期待したい。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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