大谷翔平が頼った“謎バット”の正体 コーチの証言、飽くなき探求心が生んだ解決策

フリー打撃を行ったドジャース・大谷翔平【写真:荒川祐史】
フリー打撃を行ったドジャース・大谷翔平【写真:荒川祐史】

前日に黒と銀のツートンバットでフリー打撃を行った

【MLB】ドジャース 3ー1 ブルワーズ(日本時間17日・ロサンゼルス)

 技ありの一打だった。初回先頭、ドジャース・大谷翔平投手は外角低めへ逃げていく左腕のスライダーに食らいついた。右翼線へポストシーズン初の三塁打だ。続くベッツの適時二塁打で先制のホームへ。たった6球。電光石火の速攻で、球場の雰囲気をグッと引き寄せた。

 謎のバットが好結果につながったのかもしれない。32スイングで14本の柵越えを記録した15日(日本時間16日)のフリー打撃。大谷は黒のバットの背面をシルバーでペイントしたツートーンの特製バットを使っていた。どういった狙いがあるのか。アーロン・ベイツ打撃コーチが試合前に解説してくれた。

「バットの背面をペイントして色のついた面でボールを捉える。そうすれば自然と理想的なスイング軌道をバットが通るようになる。(ボールに対してバットを)上から叩きつけるのではなく、ストライクゾーンの中を真っ直ぐ抜けていくスイングを体に覚えさせるための工夫だ」

 昨年11月の左肩手術後に使い出したという特製バット。長さや重さは「シーズン中と同じ」(ベイツ打撃コーチ)で、34.5インチ(約87.6センチ)、32オンス(約907グラム)のものを使っているという。この日の初回、外角低めの難しいスライダーを拾えたのは、常日頃の練習から創意工夫、理想のスイング軌道を求めているからこそだ。

 2年連続のワールドシリーズ進出がかかった17日(同18日)の第4戦では先発マウンドへ上がる。試合終了から15分後。歓喜にわくクラブハウス内はまだ多くの選手がユニホーム姿だったが、大谷は素早く着替えを完了。バスタオルで髪の毛を乾かしながら帰路についた。毎度毎度だが、1分たりとも時間を無駄にしない姿勢には感心させられる。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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