東大・渡辺向輝、指名漏れに「覚悟していた」 断ち切った“未練”「完全になくなった」

法大戦の2番手で登板し2回1失点で勝利に貢献
元ロッテの渡辺俊介氏を父に持つ東大・渡辺向輝(こうき)投手は25日、東京六大学野球秋季リーグの法大1回戦に登板。2回1安打1失点で、チームの今季2勝目に貢献した。試合後、ドラフトで指名漏れの胸中を告白。「指名されない覚悟は十分していたので、受け入れることはできたと思います」と思いを明かした。
2番手で登板し試合を締め括った直後、渡辺は23日のドラフトで指名漏れになったことを聞かれると、「これから野球を続けられるか、続けられないかだったので、すんなり切り替えられたわけではありませんが、指名されない覚悟は十分していたので受け入れることはできたと思います」と語り、気持ちの切り替えを強調した。
指名漏れから2日後に行われた法大戦。渡辺は4点リードの8回から登板。8回に2死から死球を機に1点を失うも、9回は法大打線を無失点に抑えた。悔しい結果直後の登板は2回1安打1失点と、エースとしての役目を果たした。
「(酒井)捷(すぐる)が打って点差をつけてくれて、松本も抑えてくれて自分は勝つしかないシチュエーションだったので、しっかり仕事を果たせて、松本や捷の活躍を生かすことができてよかったと思います」と、勝利につながったチームメートの活躍に感謝した。
「今までもチームのために投げようと思ってきましたが、(ドラフト前は)少し自分の結果を意識してしまうところがありました。それが完全になくなって、もう自分の成績とかはどうでもよくて、チームに勝ちをもたらそうと思って投げました」と、チームへの貢献を強調。望むべき結果とはならなかったが、ドラフトが終わり、心境に変化があったようだ。
父・俊介氏とのやり取りについては「ほとんどやりとりしていません。『今日の試合、頑張れよ』とだけ連絡が来ました。気を遣って、僕から連絡するのを待ってくれているのだと思います。野球が一通り終わったら、僕からしっかり話そうと思います」と前を向いた。
渡辺はドラフト終了後、自身のX(旧ツイッター)で、野球を引退し、来春から一般企業に就職する意向を表明していた。ただ、東大のエースとしては、まだ果たすべき役目は続く。「最後なんで、いつでも投げます」と、秋季リーグでの登板に意欲を示した。
(Full-Count編集部)