投手・大谷が今季中に復帰する意味 番記者が説明「実際に投げてみるしか…」
実戦形式の練習にも登板「彼の体は十分に回復している」
エンゼルスの大谷翔平投手は20日(日本時間21日)、キャンプ地のアリゾナ州テンピで実戦形式の投球練習に登板し、右肘靭帯損傷後初めて打者と対戦した。MLB公式サイトによると、左右両方の打者に対して29球を投じたという二刀流右腕。投手復帰に向けて着実に前進しているが、来季以降を見据えて今季中は大事を取り、打者に専念するべきとの声も根強い。
いったいなぜ、大谷は今季中のマウンドに上がる必要があるのか。地元紙「オレンジ・カウンティー・レジスター」では、エンゼルス番のジェフ・フレッチャー記者が読者の質問に答える形式での特集記事を掲載。その中で大谷についても言及しており、「彼の体は十分に回復している」と明かしている。
大谷が今季中に投手としても復帰するというプランにリスクを感じているファンも多いかもしれない。今季はしっかりと肘を休め、万全を期して来季マウンドに戻ったほうがいいのではないか。そんな声は少なくないが、フレッチャー記者は大谷の体調はすでに万全だと太鼓判を押す。なぜ来春のキャンプではなくて今投げさせてるのかという質問に、以下のように答えている。
「彼の体は十分に回復し、今の段階で投球が行えると医師たちが伝えているからです。100マイル(約161キロ)の直球に彼の腕が耐えられるのかを見極めるには、実際に投げてみるしかないのです。スプリングトレーニングではなく今それをはっきりさせておくのがベターでしょう」
医学的には、すでにマウンドに送り出すことに不安はない。それならば、あとは投げて確認するしかない。不安のない段階まで肘の状態は回復しているというのだ。そのため、来季を見据えて今季中は少しセーブさせるという考えもエンゼルスにはないという。
「私の考えでは、エンゼルスはただ単に彼の体が健康かどうかを見極めたいのでしょう。試合で80~90球を投げて、それでも肘に痛みもなく問題がないと示せれば、その時点で彼にストップをかけるかもしれません。けれども、彼がその段階にたどり着くまでには、ほとんどシーズンが終了していることでしょう」
メジャーでは、復帰後も徐々に球数を増やしていくケースが多いが、今季は“試運転“の段階でシーズン終了となる可能性が高いとフレッチャー氏は指摘。実戦の中で状態が万全であることをあらためて確認し、来季、先発投手としても万全でスタートを切る。来季以降を見据えても、今季中の復帰は必要だとエンゼルスは見ているようだ。
(Full-Count編集部)