球団合併以上に「わけわからん」 熱烈オリ党・岡田圭右さんのチーム愛が“消えかけた時”

お笑いコンビ「ますだおかだ」の岡田圭右さん【写真:小池義弘】
お笑いコンビ「ますだおかだ」の岡田圭右さん【写真:小池義弘】

オリックスファン歴50年…岡田圭右さんが語る“目先の勝利より大切なもの”

 お笑いコンビ「ますだおかだ」の岡田圭右さんは、芸能界きってのオリックス・バファローズファンとして知られ、ファン歴は前身の阪急ブレーブス時代に始まり50年に及ぶ。そんな岡田さんにも、チームから心が離れかけた時期があったという。本当にファンが求めるチームづくりを考える上で、大切なテーマがそこにありそうだ。

 大阪市出身の岡田さんは「リトルリーグで野球を始めた小学2年の頃、阪急ブレーブスのファンになりました」と回想する。岡田さんが小学2年だった1976年といえば、上田利治監督の下、1975年からのリーグ4連覇と3年連続日本一の真っ最中にあたる。

 とはいえ、当時のパ・リーグは極端に客入りも少なく、関西ではセ・リーグの阪神が圧倒的な人気を誇っていた。「クラスに阪急ファンは僕1人。友だちがみんな阪神の帽子をかぶっている中、僕だけが阪急の帽子にバッジを付けてかぶっていました。メディアの扱いも小さいので、毎晩スポーツニュースをハシゴして、なんとか情報をかき集めていましたね」と苦笑しながら振り返る。

 阪急に魅かれた理由を聞くと、「性格的にマイナー志向というか、逆張り的なところがあるのかもしれませんね。(特撮ドラマの)ゴレンジャーなら、アカレンジャーやアオレンジャーでなく、キレンジャーやミドレンジャーが好きやった。今も(所属は)吉本(興業)でなく松竹(芸能)ですから」と笑わせる。

 1984年のブーマー・ウェルズ内野手の3冠王獲得、1988年オフのオリエント・リース(現オリックス)への球団譲渡、1991年の「ブルーウェーブ」へのチーム名変更などを見守ってきた。

 1994年にはイチロー氏(マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)が華々しくブレーク。チームも1995年と1996年にリーグ連覇を達成したが、翌1997年から24年間も優勝できない“暗黒時代”に陥ってしまう。チームが勝てない時にこそ応援するのが真のファンとも言われるが、岡田さんは50年間、ファンをやめようと思ったことはなかったのだろうか。

お笑いコンビ「ますだおかだ」の岡田圭右さん【写真:小池義弘】
お笑いコンビ「ますだおかだ」の岡田圭右さん【写真:小池義弘】

なんで? どういうこと? わけわからん

 2004年オフには、大阪近鉄バファローズを吸収する形で合併し、現在の「オリックス・バファローズ」となった。「長年近鉄の愛称だった“バファローズ”を名乗るのは最初、もちろん違和感がありました。しかし、そこは自分の中でグッと消化しました」と岡田さん。

 それ以上に、消化しきれないことがあった。「生え抜きでない人が監督になることが続き、『石毛(宏典)監督? なんで?』『レオン(・リー)監督? どういうこと?』『伊原(春樹)監督? わけわからん』となって、あの頃は歯を食いしばっていましたね」。

 2002年に石毛氏、2003年のシーズン途中からレオン氏、2004年には伊原氏が指揮を執ったが、いずれも他球団で活躍し、就任までオリックスとは縁のなかった人物。成績も3年連続最下位に終わった。

 さらに球団は2006年に巨人を戦力外となっていた清原和博氏、2007年に広島、ヤクルトで活躍したグレッグ・ラロッカ氏、2008年には西武を退団したアレックス・カブレラ氏を獲得したが、チーム成績には結びつかなかった。

岡田さんは「僕らは暗黒時代であっても、たとえばT-岡田さんのように頑張った選手には思い入れがあるんです。一方、まるで野球ゲームのように他球団からビッグネームをかき集めて、生え抜きの主力が少なくなるのはつらかったですね」と語る。

 そんなオリックスが中嶋聡前監督の下で、2021年に25年ぶりのリーグ優勝を成し遂げ、そこからリーグ3連覇を達成した。「中嶋さんの2軍監督時代に共に汗水を流した選手たちが、ちょうど花開くタイミングでした。スカウト陣の素晴らしい眼力、練習環境や雰囲気、中嶋さんの采配など、全ての足並みがそろったのだと思います」と岡田さんは見ている。そして「種をまき、生え抜きの選手が花開き、実をつけるのを見るのは楽しいもの」と強調する。目先の勝利以上に大切なものがそこにある。

中嶋前監督は2024年限りで辞任。2025年からは、プロ入り後投手として14年間、コーチとして5年間、オリックスひと筋に過ごしてきた岸田譲監督がバトンを引き継ぎ、初年度3位に入った。生え抜き監督が2026年、さらに大きな花を咲かせてくれることを期待している。

 岡田さんが出演する映画「オリックス・バファローズ2025~DETA! WAO! OKADA THE MOVIE~」が、今月16日から全国公開。試合映像に交えて、一喜一憂する岡田さんの姿、オリックスの現役選手やOBとの対談も加えたドキュメントムービーだ。半世紀培ってきた極上の“オリックス愛”が、そこには詰まっている。

■映画公式サイト
https://www.orix-okada2025.com/

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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