ドラ1大砲は「無口で穏やかなのに」 オリ党芸人も号泣…暗黒時代の苦闘滲んだ“着ぐるみ姿”

オリックスファン歴50年…岡田圭右さんが抱くT-岡田氏への思い
芸能界きってのオリックス・バファローズファンとして知られているのが、2代目M-1王者のお笑いコンビ「ますだおかだ」の岡田圭右さんだ。ファン歴は前身の阪急ブレーブス時代に始まり、50年に及ぶ。チームは24年間もリーグ優勝できない“暗黒時代”を経て、2021年から3連覇を達成。人気も上昇の一途だが、年季の入ったファンにとっては、暗黒時代が長かったからこそ愛情の深まった選手がいると言う。
「阪急時代には福本(豊)さん、簑田(浩二)さん、3冠王になったブーマー(・ウェルズ)さん、石嶺(和彦)さん、松永(浩美)さん……オリックスになってからはもちろんイチローさん(マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)とか、数々の選手に楽しませていただきました」と岡田さんは振り返る。
特に思い入れが深いのが、同姓であり、2024年限りで現役引退したT-岡田氏だと言う。2005年の高校生ドラフトでオリックスの1位指名を受け、大阪・履正社高から「外野手・岡田貴弘」として入団。2010年に33発で本塁打王を獲得したのをはじめ、オリックスひと筋に19年間活躍したスラッガーだ。「暗黒時代を支えた選手です」と岡田さんは強調する。
岡田さんは2024年9月24日、本拠地・京セラドーム大阪で西武戦後に行われたT-岡田氏の引退セレモニーが忘れられない。「見ている僕の方が号泣してしまいました」と明かす。それはなぜか。
「過去の映像がいろいろ流れた中に、(2009年の)ファン感謝デーで新登録名“T-岡田”が発表された瞬間のものがありました。彼はその時、Tレックス(ティラノサウルス・レックス、登録名の由来の1つ)にちなんで恐竜の着ぐるみを着ていたんですよ。本来は無口で穏やかで、そんなことをする性格ではないのに。ファンのために!」
さらに熱弁を振るう。「T-岡田選手は、長年主砲として矢面に立ち、チャンスで打てなければ『なんで打てへんねん』とヤジを飛ばされました。同じ年に引退した安達了一内野手(現内野守備・走塁コーチ)とは『このチームはどうやったら強くなるねん?』と悩みながら話し合ったそうです。現役の最後になんとか3連覇に引っ掛かったけれど、大半は苦労の連続。そういうことを思い返していたら、もう……」。岡田さんには何度でも感動がよみがえるようだ。

2026年に期待する選手は35歳のベテラン「いつか首位打者を獲ると…」
T-岡田氏ら選手たちの努力もあって、暗黒時代に閑古鳥が鳴いていたスタンドにも、近年はファンが大勢詰めかけるようになった。2024年には年間観客動員が球団史上初めて200万人を突破し、214万9202人を記録。2025年も205万7077人(1試合平均約2万8571人)に上った。「毎年、女性ファンを対象とした『オリ姫デー』を開催するなど、球団の営業努力も実を結んだのだと思います」と岡田さんは指摘する。
オリックスの選手1人1人に熱い思い入れがある岡田さんだが、2026年シーズンで特に期待するのは、プロ12年目を迎える35歳・西野真弘内野手だという。これほどのベテランにして、2025年にはキャリアハイの7本塁打35打点。規定打席には及ばないものの.287の高打率もマークした。
「僕は西野選手が入団してきた時から、『いつか首位打者を獲るぞ』とずーっと言ってきましたし、怪我をして伸び悩んでいた時にも、『西野選手の活躍なくして、オリックスの上昇はない』とメディアで語ってきました。すると球場へ仕事に行った時に、『僕の名前を出してくださって、ありがとうございます。スイッチが入りました』と本人が言いに来てくれました。野手ではチーム最年長となった西野選手が、引っ張っていってくれたらうれしい」と目を細める。
岡田さんは見逃し配信も活用しながら、オリックスの年間143試合を1回から最終回まで、くまなく観戦している。50年ものファン歴を振り返り、「趣味らしい趣味もない、何にもハマらん男が、ここまでハマるものがあるねんなと……」と感慨深げだ。
「凄い魔法にかけられたようなものです。一喜一憂、気持ちを揺さぶられて踊らされて……。オフの時期は抜け殻状態。2月1日(のキャンプイン)が待ち遠しい」と続ける。
そんな岡田さんが出演する映画「オリックス・バファローズ2025~DETA! WAO! OKADA THE MOVIE~」が、今月16日から全国公開。思い入れのあるT-岡田氏らOBとの対談も加えたドキュメントムービーだ。
「オリックスに限らず他球団のファンでも、野球以外のアイドルのファンでもいい。ひとつのものを応援できる幸せや喜びを皆さんに感じ取ってほしいし、そうした喜びを知る方々には共感できる内容だと思います」と力を込めつつ、「応援する対象があるからこそ、普段の仕事も頑張れる。もちろん、その中に、ますだおかだを応援しようという方がいるなら、なおうれしいですけどね」と満面に笑顔を浮かべた。
■映画公式サイト
https://www.orix-okada2025.com/
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)