制球難で苦しむ子に「楽に投げろ」は逆効果 投手を孤立させる“曖昧指示”の悪影響

マウンド上の投手を前向きにする言葉選びのコツとは(写真はイメージ)
マウンド上の投手を前向きにする言葉選びのコツとは(写真はイメージ)

野球講演家・年中夢球氏が説く…投手を孤独にさせない指導者の声かけ

 試合中にストライクが入らず苦しむ投手を前に、つい「ストライクを入れろ」「フォアボールを出すな」と声をかけてはいないだろうか。これらの言葉は選手をさらに追い詰めるリスクがある。「保護者と選手のベースボールメンタルコーチ」として活動する野球講演家・年中夢球(ねんじゅう・むきゅう)さんは、「セルフコントロール」という言葉を軸に、制球に苦しむ子への“正しい接し方”について語る。

 年中夢球さんは、自分で制御できない要素を強いるのではなく「セルフコントロール」できる言葉をかけるべきだと言う。選手はストライクを入れたくて投げているが、それができずに困っている。そこで具体的な動作を伴わない指示を出しても、何をすればいいかわからず、不安なまま次の1球を投じることになる。精神論を押し付けることが、制球難を悪化させる原因だ。

 具体的な解決策として挙げるのが、選手が自分の意思で実行できる言葉。「楽に、楽に」よりも、「間を空けろ」や「ロジンを触る」といった、具体的で迷いのない動作を促すことが、投手の精神的ゆとりに繋がる。「腕を振って思い切って投げろ」でもいい。身体の動きやルーティンに意識を向けさせる方が、結果的に制球の安定に繋がりやすい。

 視覚的な工夫も効果的だ。ストライクが入らない時、指導者は「キャッチャーミットを目掛けて投げなさい」と言いがちだが、これだと的を小さく絞りすぎるリスクもある。年中夢球さんは「ストラックアウトを9マスで使うんではなくて、4マスで使いなさい」などと、的を大きく捉えさせる助言を勧める。心理的なハードルを下げてあげることで、腕が振れるようになりストライク率も向上するわけだ。

 注意したいのは、良かれと思った言葉が逆効果になるケースだ。「打たせていいぞ」という言葉にリラックスできる子もいれば、嫌がる子もいる。選手によって「何が言われたら嬉しい言葉なのか」は異なるため、事前に話し合っておくことが重要だ。個々の性格に合わせた具体的な声かけを行うことで、選手はマウンドで孤立することなく、自信を持って次のプレーに繋げていくことができるはずだ。

(First-Pitch編集部)

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