「失敗を怖がる」消極的な子が増えるのはなぜ? 選手の“心のブレーキ”を外す具体策

選手を失敗を恐れず挑戦へと導くには(写真はイメージ)
選手を失敗を恐れず挑戦へと導くには(写真はイメージ)

少年野球の指導者たちが語る、選手の傾向と対策

 少年野球の現場で「失敗を怖がる選手」を生まないためには、大人の意識から変えていくことが重要になってくる。エラーなどは恥ずかしくないものとし、何度でもチャレンジできる環境を整えてあげたい。子どもの主体性を引き出す出発点となる、指導者・保護者の姿勢とは、どのようなものだろうか。

・子どもが失敗を恐れて消極的になる、根本的な原因はどこにあるか。
・選手の挑戦を促すために、大人が見直すべき行動や環境は何か。
・失敗を成長の糧に変えるために有効な指導法や習慣は何か。

 静岡の学童野球チーム「三島ゴールデンイーグルス」の矢嶋祐輝監督は、「積極性や自主性が足りない」子どもが増えたという声に対し、「子どもが変わったのではなく周囲の大人が変わった」と指摘している。「大人に“失敗したくない意識”が強くなっている」と、大人側が自身の恥や手間を避けるために、子どもの行動を制限し“失敗する機会”を奪っていると力説する。「エラーは恥ずかしくない。チャレンジを続ければ誰でも上手くなる」と伝え続け、また、指導者・保護者自身も挑戦する姿を示すことで、子どもも安心してチャレンジできる環境が整うと語っている。

 中学硬式の強豪「青森山田リトルシニア」の中條純監督は、コロナ禍の自粛生活の影響からか、「無理なものは無理」と諦めがちな中学生が増えていると指摘している。そこで、“何もしないことが最大の失敗”だと理解させるため、普段から「小さな約束事」を課して成功体験を積ませている。例えば、「道具を5分で片付けよう」「今日は二塁まで進んだら三盗を狙ってみよう」などだ。根拠のある前向きな失敗には価値があるとフォローし、具体的で達成可能な目標をクリアさせることで自信を育み、選手が自分で正しく判断するための引き出しが増やせるという。

 東京の学童野球チーム「BLOSSOM BASEBALL CLUB」では、ミスを前提とした練習の重要性を強調している。日本ではボール回しなどに代表されるように「完璧を求める」練習が小学生のうちから多いが、短期的に上達はしても、将来には繋がらないのではないかと指摘。そこで、野球にミスはつきものであるという前提で、ミスを恐れない思考を養うためにライフキネティック(脳トレ)を導入。100%の精度を求めすぎず、新しい刺激を加え続けることで脳を活性化させ、中長期的な視点で選手が将来突き抜けられる基礎を築くことが大切だとしている。

 プロを志す選手に限らず、一般社会を生き抜くためにも、ミスから学び改善する力は不可欠な資質だ。大人が挑戦を称賛する文化を根付かせつつ、

・大人は子の鏡であることを意識し、指導者・保護者が失敗を恐れず挑戦する姿を共有することで、子どもの“心のブレーキ”を外す。
・実現しやすい「小さな約束事」を1つずつクリアして褒めてあげることで、リスクを恐れずに自分から一歩踏み出す自信が育まれていく。
・ミスを前提とした練習や脳トレを取り入れ、失敗を「上達のヒント」として楽しむ思考を養うことが、前向きなメンタルを作る解決策になる。

(First-Pitch編集部)

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