手が小さい小学生に多い“鷲づかみ” 巨人OBが伝える正しい握り「シュート回転しない」

巨人OBの定岡正二氏、鹿取義隆氏、前田幸長氏らが小学生を指導
バランスよく投げるには、小学生の時期から正しいボールの握り方を覚える必要がある。スチールエンジグループ主催の野球教室「キッズベースボールランドin東京」が2月22日、東京都稲城市のジャイアンツタウンスタジアムで開催され、小学生約400人が参加した。共催した巨人OB会から元選手14人が駆けつけ、定岡正二氏や鹿取義隆氏、前田幸長氏らが熱心に指導した。
巨人と西武で通算91勝、133セーブをマークした鹿取氏は「まずは故障させないこと。今は軟式の軽い球だから投げられるけど、硬球になると壊れてしまう。正しい腕の使い方を今のうちにやらないといけない」と小学生投手の指導のポイントについて説明。トップで肘を肩よりも高く置き、握った球を頭の後ろに持ってきて回旋運動でスムーズに投げるように指導した。
明大から1978年ドラフト外で巨人に入団し、19年間のプロ生活で通算755試合に登板した鉄腕。体のケアには人一倍、気を使ってきた。それもあって真っ先に挙げたのが故障予防だ。同時に「握り方もしっかりやらないといけません」と力を込めた。体の小さい小学生は当然、手も小さい。しっかり握るのが難しく、鷲づかみの状態で投げるケースもあるという。
「正しく投げるには正しく握らないといけません」。球の縫い目に対し、直角に近い形で人さし指と中指をかける。一般的には中指の方が長いため、縫い目の膨らみが大きい部分に中指を置くのが基本となる。「基本的には、指の間は広く空けない。今のうちに正しい握り方を覚えていると、体が大きくなった時にちゃんと投げられる。大事なところです」。
ロッテ、中日、巨人で通算595試合に登板して78勝を挙げた他、米球界に挑戦してメジャー傘下3Aでも登板した前田氏は握り方について「縫い目にしっかり指をかけないと投げる時にバランスが悪くなります」と説明。変化球が禁止されている小学生の時期は、直球の回転が真っすぐかどうかで正しい投げ方をしているかが分かる。「人さし指と中指の間は、小指1本分入るのがバランスがいいと言われている」と解説した。

親指の位置は自由「一番ボールに力が伝わるポイントを意識」
人さし指と中指をそろえるようにくっつけて投げる投手もいるが、前田氏は「少しズレると、シュート回転したりスライドしたりします」と指摘。そうならないためにも指1本分空けるのが理想で「いい回転で投げられるようになります。それを意識してほしい」と力を込めた。
親指の位置に関して「自分が一番しっくりくるところでいい。自分が一番コントロールできる、一番ボールに力が伝わるポイントを意識すること」とアドバイス。「深く握りたい人、浅く握りたい人がいると思う。親指は自由です」と各個人に任せる姿勢を示した。
定岡氏も握り方や投球フォームを熱心に指導した。鹿児島実で甲子園のヒーローとなり、1974年ドラフト1位で巨人に入団。1982年に15勝を挙げるなど通算51勝を挙げたレジェンドは「せっかくなのでチームの監督やコーチ、父兄とは違うことを言ってあげたい」と精力的に動き、「まずはいろいろ試してもらいたい。少しでもうまくなって、野球を続けてほしい」と話した。
「継続することが大事です。チームの練習以外に、10分以内でいいから自主練習する意識を持つこと。ダラダラやるのではなく、2~3分でもいい。人生も野球も、そういうことの積み重ねです」
正しく投げるためには、正しく握ること。短時間でいいから意識して取り組めば効果があるはずだ。小学生のうちに基本を覚えておけば、将来的な進歩に必ずつながってくる。
(尾辻剛 / Go Otsuji)
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