ブロッキング上達に必要な“能力”とは? 巨人OBが力説…恐怖を減らす「いい形で我慢」

ベストナイン&GG賞を各2度受賞…名捕手・西山秀二氏が小学生に授けた心構え
捕手で大切なのは股関節の強化だ。スチールエンジグループ主催の野球教室「キッズベースボールランドin東京」が2月22日、東京都稲城市のジャイアンツタウンスタジアムで開催され、小学生約400人が参加。共催した巨人OB会から元選手14人が駆けつけ、捕手として活躍した西山秀二氏が心構えを伝授した。
「小学生に伝えたいことは、ボールは怖くないんだよということ。怖がりながらプレーしていると、当たった時に痛いんです。変に喉に当たったり耳に当たったりしてしまうということを伝えます。いい形で捕球できているのだから、その形で我慢しようと教えています。昔と違って近い距離からバンバン投げて捕球させる練習はしないから、怖がることも減ってきているとは思います」
小学生の投手は、制球力が不安定。高めに抜けたり逆球になったり、ショートバウンドになることもある。捕手は全ての投球を捕球するか、ワンバウンドの場合はミットや体で止める必要がある。体で止める際には、どの部分に当たるか分からないケースもある。そこで、恐怖心を抱かないことがブロッキング向上の鍵となる。
ブロッキング以外にもリードや守備位置の指示、キャッチングやスローイングなど、やるべきことが多岐にわたる過酷なポジション。覚えることが多く、重要な役割を担う。基本的には野手で唯一、座ってプレーするだけに「股関節が凄く大事」と力説した。
「股関節の柔らかさ、強さというのが捕手には必要です。小学生はまだ体もでき上がっていないから、そこまで力強くはできない。少しずつでもいいので、正確な動きを練習していけば、どんどん柔らかくて強い股関節になっていきます。体ができていく中で、練習を積んでいくうちに強くなります。そうすると捕手としてすごく動きが良くなって、正確にプレーできるようになると思います」
西山氏は上宮高(大阪)から1985年ドラフト4位で南海に入団したが、出場機会はなかった。2年目の1987年途中に移籍した広島、現役最終年の2005年にプレーした巨人で計1216試合に出場し、ベストナインと三井ゴールデン・グラブ賞をそれぞれ2度(いずれも1994年と1996年)受賞するなど、攻守に存在感を示した。現役生活は20年。巨人や中日でコーチも歴任しただけに、その言葉には説得力がある。
投球を受ける際の構え方は2種類「やりやすい方で」
技術的な部分について、1つの考え方を押し付けることはない。投球を受ける際の構えについては「人それぞれ、色々な構え方があります。自分に合った構えを作りなさい」という。「自分が動きやすい形を作らないと動けない。動きやすい構えを作れば動けるようになります」と力を込める。
ミットを最初から要求するコースに構える捕手もいれば、地面スレスレに下げておいて、投手が投げた直後にミットを上げて捕球する方法もある。「最初にミットを下げていて、パッとミットを上げて捕ると、うまくは見える。見栄えはいい。ただ、これは自分の感覚でやりやすい方でいい。どっちが正解で、どっちがダメということではない」。選手が自分に合うスタイルでプレーするのが大切だと力説した。
ミットの動かし方にも言及した。一般的に捕手は右利きで、ミットは左手に持つ。右打者の内角球を捕球する際にも2つの方法がある。左脇を締めながらミットを反時計回りに操作して捕球するか、左脇が空いてしまう可能性はあるが、ミットは回さず左肘を左方向にスライドさせながら捕球するのもひとつのやり方である。
脇が空くのは問題ないが、「腕の力だけで捕球しようとすると、まだ腕力もない子どももいるし、はじいてしまうことがある」と指摘。そうならないために「腕と同時に体も動かして、体全体で捕る意識でやろう」と訴えた。
覚えるプレーが多く、難しいポジションだけに「数はメチャクチャ多くやらなくていい。動きのコツさえつかんでくれたら、基本的なことさえつかんでくれたら変な方向にはいかないと思います」。一気に全てを習得するのはプロでも至難の業なのだ。
まずは球を怖がらないこと。そして股関節の柔軟性と強さを養うこと。プレーは自分に合ったスタイルをじっくり探せばいい。少しずつの積み重ねが成長につながっていく。
(尾辻剛 / Go Otsuji)
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