球速アップを妨げる“硬いもも裏” 5秒で即解決…体重移動が滑らかになる「ナイフ体操」

年間20校以上で指導する塩多雅矢氏が伝授…投球に必要な「骨盤の可動性」を作る方法
投球動作における「回転と腕振り」をスムーズに行うには、体の前面や背面の柔軟性が欠かせない。特に下半身のパワーを指先に伝える土台作りにおいて、太もも裏(ハムストリングス)の可動性は極めて重要だ。首都圏を中心に年間20校以上の中学・高校で指導する塩多雅矢さんは、胴体を使った力強い投げ方を習得でき、球速アップにも直結するストレッチ「ジャックナイフ」を推奨している。
なぜ、太もも裏の柔軟性が投球に必要なのか。塩多さんは「ボールを投げる時、最後はかなり深い前傾姿勢に入る」と説明する。この際、太もも裏が硬いと骨盤が後傾し、体を十分に前へ運べない。「体重移動しよう」と言われても動けない選手は、筋力の問題ではなく体のコンディションが原因である可能性が高い。このストレッチは、投球の「前に乗せていく動き」を物理的に可能にするためのドリルだ。
具体的なやり方は、足を肩幅に広げて深くしゃがむ。太ももとお腹をつけ、ジャックナイフ(折り畳みナイフ)のように体を二つ折りにすることがポイントだ。手で足首を軽く握ったら、太ももとお腹が離れないように意識しながら、お尻を高く持ち上げていく。「優先するのは、とにかくここ(太ももとお腹)が離れないこと」と塩多さんは強調する。
動作のコツとして、しゃがんだ時はかかとが浮いても良いが、お尻を上げた時はかかとを地面につける。この状態を5秒間キープし、10回繰り返す。太もも裏に強い刺激が入り、骨盤が正しい位置で前傾しやすくなる。お尻を上げた際に体が前へ転がりそうになる感覚が、投球での理想的な体重移動へ繋がっていく。
注意点は、お尻を高く上げようとするあまり、お腹が太ももから離れてしまうこと。これでは肝心の骨盤周りの可動性が改善されない。即効性があるため、ストレッチ前後に前屈してビフォーアフターをチェックすると良いだろう。「10回やると、もう少し深く入っていく」と語る塩多さんのメソッドを取り入れ、変化を楽しみながら投球の土台を築いてほしい。
(First-Pitch編集部)
球速を上げたい、打球を遠くに飛ばしたい……。「Full-Count」のきょうだいサイト「First-Pitch」では、野球少年・少女や指導者・保護者の皆さんが知りたい指導方法や、育成現場の“今”を伝えています。野球の楽しさを覚える入り口として、疑問解決への糸口として、役立つ情報を日々発信します。
■「First-Pitch」のURLはこちら
https://first-pitch.jp/