上達を妨げる“正解の押し付け” 元G投手が説く…選手が「自ら動ける」チーム作り

「都筑中央ポニー」の会長を務める前田幸長氏【写真:小林靖】
「都筑中央ポニー」の会長を務める前田幸長氏【写真:小林靖】

日米球界で20年…前田幸長さんが語る“考える選手”を育てるアプローチ

 少年野球の現場で「選手に主体性がない」と悩む指導者は多い。日米通算20年にわたりプロの世界で活躍し、現在は中学硬式野球チーム「都筑中央ポニー」の会長を務める前田幸長さんは、選手を成長に導くには「やらされる練習」からの脱却が欠かせないと語る。指導者が一方的にメニューを押し付けるのではなく、選手本人が課題に気づくための“対話力”と“信頼”が大切になる。

 中学生年代では、投打ともに完璧な選手はなかなかいない。前田さんは「何が自分に足りないか今わかる?」と選手に語りかけ、足りない部分を指導者がしっかり説明してあげることが重要だと語る。なぜその練習が必要なのかという理由を理解させることで、選手は自分の現在地を客観的に見つめられるようになる。言われた通りに動く状態から抜け出す第一歩だ。

 答えを先に言ってしまうのは簡単かもしれない。しかし、前田さんはあえて選手に「じゃあどうしたらいいと思う?」と問いかける。選手自身から「自分にはこういう練習が必要だと思う」という答えを引き出すのが狙いだ。「自分で気づかなきゃダメ。やらされる練習ばかりでは、自分で考えようとしない」。課題とやるべきことを認識することで、選手自身に、練習に対する責任感が芽生え始める。

 自ら取り組む練習がもたらす一番の良さは、“達成感”の大きさだ。前田さんは「自分で気づかないと、やっぱり練習は面白くない」と、自身の経験を振り返る。「球を速くしたい」という目標のために、自ら選んだメニューをこなし、結果が出たときの喜びは、受動的な練習では味わえない大きな自信に繋がる。

 だからこそ、選手の状況を無視して正解だけを押し付ける指導には注意したい。自分で考えて取り組んだことが「正解だった、正しかったんだ」と実感できたとき、選手はぐんと伸びる。指導者が「これが足りないでしょ」とヒントを出した上で、多少の時間をかけてでも、解決策を選手に考えさせるゆとりを持つことが欠かせない。

(First-Pitch編集部)

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