ルール飛び越えた大谷翔平、村上宗隆&岡本和真は「目安になる」 現役選手に期待する“未来へ繋ぐバトン”|THE KEYWORD 井口資仁 #4

大谷翔平、村上宗隆、岡本和真(左から)【写真:黒澤崇、ロイター】大谷翔平、村上宗隆、岡本和真(左から)【写真:黒澤崇、ロイター】

井口資仁編・最終回…後輩メジャー選手たちに繋ぐ「挑戦」のバトン

 2018年に海を渡って以来、二刀流の活躍でメジャーの常識を覆してきた大谷翔平選手を筆頭に、今季は14人の日本人選手がメジャーの舞台でワールドシリーズ制覇を目指す。「THE KEYWORD」井口資仁編の最終回は、ユニホームからスーツに替えて迎える4年目、解説者として、ビジネスマンとして活躍の場を広げる井口氏が、異国で「挑戦」する後輩たちについて語る。

 シーズンMVPに輝くこと4度。両リーグでの受賞は、メジャーにおける人種の壁を壊したフランク・ロビンソン以来、史上2人目の快挙だった。大谷はメジャー9年目を迎える今もなお、新風を吹かし続けていることについて、井口氏は「本当に、なにか形にとらわれるっていうことがないんでしょうね」と驚嘆の声を挙げる。

「ピッチャーだけ、バッターだけ、という選択肢は彼の常識ではない。高校生の時と同じ『打って・投げて・走って』が野球人として当たり前、というのが彼の考え方。その全てにおいて、目いっぱい頑張っている感じですよね」

 頑張るだけで終わらないのが大谷だ。「挑戦できることもすごいけど、その全てにおいてトッププレーヤー、超一流というのが素晴らしい。他の人ができないことをやってのける。それが彼にとっての当たり前なんでしょう」と目を見張る。

 井口氏もメジャーに戦いの場を移した後は、自分の型にはめて考えるのではなく、日米の違いも全て受け入れる姿勢で取り組んだ。同じスタンスではあるが、大谷は「次元が違う」と笑う。

「今まで誰もが『ルール』という型にはめられた中でしか野球をしてこなかったのを、彼はそれを飛び越えてしまう考えで臨んだ。その結果として、大谷ルールができたわけですよね。これからも新たなルールを作るかもしれないし、他にもいろいろな選手が登場し、いろいろなルールが出てくるかもしれない。そうすれば面白いですよね」

大谷は「次元が違う」と語る井口資仁氏【写真:増田美咲】大谷は「次元が違う」と語る井口資仁氏【写真:増田美咲】

岡本&村上は「同じ内野手としては本当に楽しみ」

 井口氏がホワイトソックス1年目の2005年は、メジャーでプレーした日本人選手が15人だった。今季も開幕時点で14人と多く、新たに岡本和真内野手(ブルージェイズ)、村上宗隆内野手(ホワイトソックス)、今井達也投手(アストロズ)の3人がメジャーを新天地とした。

「今まで日本でやってきたことを、どうやってメジャーでも出せるかが一番大事なこと。となると、新しい環境やチームに馴染めるかどうか、その中でも自分のペースを持って野球に取り組めるか。最近は投手が多かった中、今年は野手、しかも内野手が2人移籍しますからね。外野手は多かったけれど、内野手はなかなかいなかった。同じ内野手としては本当に楽しみですよ」

 外野手であれば、現在も鈴木誠也選手(カブス)、吉田正尚選手(レッドソックス)らが活躍するが、内野手は2016年にカブスでプレーした川崎宗則選手(BC栃木)以来、10年ぶりだ。

「投手はもちろん、野手が頑張ると、次、その次と繋がっていきますから。岡本選手や村上選手の活躍がひとつの基準ではないですが、日本でどのくらいの成績を残せばメジャーでこれだけの活躍ができる、という目安にもなると思います。次に続く選手たちが具体的な目標を立てやすくなりますよね。日本をもっと盛り上げる意味でも、彼らの挑戦を応援したいと思います」

 1964年の村上雅則氏から始まったメジャー挑戦のバトンは、井口氏らの手を経て、後輩たちにしっかり繋ぎ続けられている。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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