「バットは最短距離で」の指導にある“リスク” 理想のスイング軌道作る「座りティー」

限られた時間で効率よく打撃力を伸ばす練習法とは(写真はイメージ)
限られた時間で効率よく打撃力を伸ばす練習法とは(写真はイメージ)

元中日Jr.監督・湊川誠隆氏が推奨…ボールゾーンを振る“悪癖”改善策

 限られた練習時間で打力を向上させるには、どんなメニューが効果的なのか。多くの指導者が抱える悩みだろう。元中日選手の湊川誠隆氏はドラゴンズジュニアを率いて「NPBジュニアトーナメント」で2度優勝。2021年大会では1試合7本塁打を記録するなど、強力打線を作り上げた。その打撃指導には明確な意図がある。

 少年野球では、バットを最短距離で出すように指導されることが多い。しかし、その指導ではストライクゾーンから外れた位置を振るスイング軌道になる危険性があるという。ホームベースの上を通るストライクを振らなければ、ボールとの接点は生まれない。ボールとの接点が長く続く位置で振ることで、打力は向上していく。

 理想のスイング軌道習得へ、湊川氏が取り入れているのが椅子に座った状態で行うティー打撃だ。椅子の前にベースを置き、選手は椅子に座ってボールを打つ。下半身が固定されているため、体の前(=ストライクゾーン)でバットを振る感覚を養える。座ることで、正しい位置しか振れない状況を作るのだ。

 湊川氏は、まず選手に「どういうイメージで打席に立っている?」と問いかける。本人のやり方を尊重しつつ、「これを実現するにはこうした方がいいよね」と提案。「こっちの方が多分いいと思うから、ちょっと1回チャレンジしてみて」と促し、本人が納得して継続できるような声掛けを徹底した。

 フリーバッティングを漫然と行うと、スイングが雑になりやすい。限られた時間だからこそ、理にかなったティー打撃でスイング軌道を確認し、残りの時間を守備に割いた。選手を納得させる対話や、理想のスイング軌道習得に繋がる練習などが、短期間で強力打線を作り出した秘訣といえる。

 今年で22回目の開催となる大会は、「NPBジュニアトーナメント KONAMI CUP 2026」として12月26日~12月29日に神宮球場とジャイアンツタウンスタジアムで行われる。

(First-Pitch編集部)

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