球速は「階段状には上がらない」 成長期前に知らないと損…“停滞期”を克服するコツ

菊池雄星プロデュース「K.O.H」の河内山拓樹さんが指摘する「球速と身長」
成長期に球速の伸びが止まったり、緩やかになったりするのはよくあることだ。菊池雄星(エンゼルス)がプロデュースした岩手県花巻市の屋内野球施設「King of the Hill」(K.O.H)でピッチングコーチを務める河内山拓樹さんは、「『そういうもんだ』と思うしかありません。成長した体にどう適応するか、その時期をいかに耐えるかが大切です」と話す。焦って追い求めがちな球速との向き合い方について聞いた。
河内山さんは「球速は階段状に上がるわけではない。今月1キロ上がったとして、来月も1キロ上がるということはほとんどありません」と指摘する。小学生を指導する際、約1時間で3、4キロ球速が上がるケースもあるが、本人には「永遠には続かないよ。身長が伸びて体にエラーが起きた時に、『今は体をうまく動かせない時期だ』と捉えられるようにしよう」と伝えるという。
急激に身長が伸びる時期に走るスピードが遅くなったり、ジャンプ力が落ちたりするように、身長と球速にも相関関係はある。河内山さんいわく、「指が5ミリ伸びるだけでもボールのリリースの角度や握り幅が変わる」そうで、身長となればより大きな影響が出ると推測できる。それを知らずに力任せに数多くボールを投げ込むと怪我のリスクが高まる。
では、“停滞期”を迎える前にすべきことは何か。河内山さんは「いろんな動きを覚えて、動きのパターンをたくさん身につける。それに尽きます」と強調する。
例えばオーバースローの投手であれば、上から投げ続けるのではなく、横から投げたり、外野からの送球をしたり、様々なステップで投げたりとあらゆる投げ方を試す。一時的に野球から離れてバスケットボールやサッカーに挑戦するのもお勧めだ。小・中学生が体育の授業で敬遠しがちなマット運動や鉄棒に積極的に取り組み、校庭で思い切り体を動かして遊ぶことも、体のエラーが起きた時の「適応」につながるという。

「パターンがたくさんあると選択肢も増える。『どうすればできるか』を常に考え続けることで、新しい動きができるようになります。どんな動きを言われてもできるようになれば、身長が伸びて不器用になる時期が来づらくなるかもしれないし、来たとしてもうまく適応できる可能性が高まります」
今のご時世、YouTubeなどで自ら情報を得て新たなドリルなどを取り入れる小・中学生も少なくない。河内山さんは「こちらがやれと言ってやらせるよりも、幅を持たせた方が良い」とそれらを否定せず、次々とトライさせる。その積み重ねが、のちの“停滞期”を抜け出す手がかりになるだろう。
(川浪康太郎 / Kotaro Kawanami)
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