キャッチボールは「肩を温める運動じゃない」 送球は二の次…足さばき磨く“塁間20球”

つくばポニーで監督を務める元楽天・森田丈武さん(中央)【写真:尾辻剛】
つくばポニーで監督を務める元楽天・森田丈武さん(中央)【写真:尾辻剛】

元楽天・森田丈武さんは茨城県内で野球塾を経営

 キャッチボールでは、足の使い方を意識させている。元楽天内野手の森田丈武さん(現役時代の登録名は「丈武」)は現在、茨城県つくば市で野球塾「JOBU BASEBALL ACADEMY(丈武ベースボールアカデミー)」を開校し、小・中学生を指導。硬式野球の「つくばポニー」では監督を務めている。野球の基本であるキャッチボールについて、こだわりの指導を行っている。

「キャッチボールは肩を温める運動じゃないんです。多くの指導者は『肩を温めるだけじゃないぞ。しっかりやれ!』で終わります。それじゃダメ。捕って、投げるというのは必ず試合で使う運動。だから『しっかり足を使いなさい』『動いてリズムを取って、捕ったらすぐに投げなさい』と言っています」

 塁間に近い25〜30メートルの距離で、足を小刻みに動かしながら捕球する。捕ったら素早く返球。この時のモーションについて「投手が投球するようにしっかり足を上げる必要はない。投手のように足を高く上げて投げる子が多いけど、それは投球練習の時にやればいい。キャッチボールは小さく足を動かして、内野手の動きでやらせています」と説明する。

 捕球したらすぐに投げる。そして、急いで捕球体勢を整えて構える。それを約20球、繰り返す。「ダラダラしていたら意味がない。10分もやると疲れちゃう。必ず疲れるから、20球ぐらいやったら一回休む。少し休んで息を整えてから、またキャッチボールする。メリハリをつけながらやるんです」。

 まだ体力がない小・中学生に無理は禁物。「投げることを言い過ぎると、肩がオーバーワークになる。投げられなくなる子も多いんです」。小学生でも肩や肘の手術をする選手も増えている時代。怪我のリスクも避け、短時間で集中して取り組む。

足を使ったキャッチボールの重要性を説く【写真:尾辻剛】
足を使ったキャッチボールの重要性を説く【写真:尾辻剛】

「捕らなきゃ守備は始まらない」

 捕球に関してはグラブの面を相手に向けさせ「芯で捕りなさいと言っています」という。「まずはしっかり捕ること。捕らなきゃ守備は始まらない」。いくらスローイングが良くても、捕球できなければ意味はない。ある意味、送球は二の次で「とにかく『球をよく見て捕れ』って言いますね」と力を込めた。

 その中で足の動きを意識させる。足が動いていれば、どんな球にも反応できる。「低い球に反応しなさいと言いますね。ショートバウンドにも反応しないといけないし、そのために足を動かしなさいと伝えています。試合で使う動きを教えているんです」。横にそれたり、ワンバウンドする難しい球でも捕球できるようになっていくのだ。

 高校卒業後はクラブチームや社会人野球を経て米国の独立リーグでもプレー。帰国後に日本の独立リーグに所属し、松坂世代最後のドラフト指名選手となる28歳でプロ入りした苦労人は、誰より基本の大切さを痛感してきている。

「やっぱり基本を教えていくのは大事です」。キャッチボールは漠然と投げるだけでは上達しない。投げる腕はもちろん、捕球の体勢を整える足の動きもポイントになる。

(尾辻剛 / Go Otsuji)

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