少年野球で伸びる子は才能?努力? 親の焦りはNG…成長差が収まる“年齢”

子どもの可能性を引き出す少年野球の環境づくりとは?
少年野球で周りの上手な子と我が子を比べてしまい、「うちの子は才能がないのかも……」と落ち込んだり、関わり方に悩んだりする保護者も多いかもしれません。我が子が自分らしくのびのびと成長するには、どのようなサポートが必要でしょうか。First-Pitchのポッドキャスト番組「野球ママへの応援歌」より、ジュニアからトップアスリートまでの育成・フィジカルトレーニングに従事し、埼玉西武ライオンズジュニアでアドバイザーを務める豊田太郎トレーナーの話から、「野球の上達は、才能か? 努力か?」という気になるテーマについて深堀りしていきます。
スポーツの世界では、“才能(センス)”という言葉がよく使われますが、海外の専門家によると「才能発掘は5%で、95%は育成が大事」だといわれているそうです。いくら生まれ持った要素があっても、その後の練習や周囲のサポートといった育成環境が整っていなければ、才能を開花させることはできません。逆に言えば、適切な環境で適切なサポートを受けられれば、どの成長段階からでも大きく能力を伸ばせる可能性を秘めているといえます。
豊田さんは、「ぜひ保護者に意識していただきたいサポートの1つが、子どもに合った環境(チーム)を選んであげることです。チームの強さや設備だけで判断するのではなく、子ども自身が自分らしくいられる場所かどうかが重要」と伝えます。周りの仲間と高め合える環境や、指導者の方針が我が子に合っているかを見極めることが、本人の前向きな意欲やパフォーマンスを引き出すきっかけとなります。
野球はよく「あの子はセンスがある」「ボールを遠くに飛ばせるからすごい」と、目先のプレースタイルや能力ばかりに目が向きがちです。しかし、子どもの才能や将来性を見極める視点は、決して現在の打撃・投球結果だけではありません。
豊田さんは、例えばNPBジュニアのセレクションといった評価の場では、「単に現在のパフォーマンスだけでなく、それを支える身体的な前提条件(身長・体重・筋肉量や、自分の体を思い通りに動かせる能力)がチェックされる」といいます。加えて、成長期の早い・遅いや、生まれ月といった個人差を考慮することも重要と続けます。
「小学生や中学生ですと、いわゆる早生まれの子は少し不利といえます。筋力や足の速さは、成長の早い子のほうが発達は進んでいますから。しかし、単純に現在のパフォーマンスだけではなく、その成長が早いか遅いかということも評価をして、この子が将来どうなるのかを想像して育成をします」
メンタル面でも大きな個人差…温かい目でタイミングを待って
成長の早い・遅いによる差は18歳頃までには収まるそう。小学生の頃、成長が早くて活躍する子もいれば、素質がありながら成長が遅く目立たない子もいます。これは、体の成長だけに当てはまる話ではありません。
「身体的に個人差があるのと同様に、メンタル面やモチベーションの面でも大きな個人差があります。子どもの頃からコツコツ努力してトップ選手になる子もいれば、幼少期はのんびり過ごしていても、あるきっかけで急に努力を始めてパフォーマンスがグッと伸びる子もいます」
もし我が子が家でダラダラしているように見えたとしても、焦る必要はありません。「今は大きくジャンプ(飛躍)するために、じっくりと屈んで力を溜めている(しゃがんでいる)状態なんだ」と温かい目で見守り、保護者が成長のタイミングを待ってあげることも大切です。
子どもの成長速度や得意なことは、一人ひとり異なります。目の前の結果に有無に捉われすぎず、我が子がどのような環境であれば、野球を楽しみながら成長できるか。保護者は見極めながらサポートしていきましょう。
(First-Pitch編集部)
球速を上げたい、打球を遠くに飛ばしたい……。「Full-Count」のきょうだいサイト「First-Pitch」では、野球少年・少女や指導者・保護者の皆さんが知りたい指導方法や、育成現場の“今”を伝えています。野球の楽しさを覚える入り口として、疑問解決への糸口として、役立つ情報を日々発信します。
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