中学で110→136キロに球速アップ 身長も14cm増…小柄な左腕を変えた“独自メソッド”

ジャイアンツカップで優勝…取手リトルシニアのエース・寺田塁
まさに小さな大投手の快投だった。中学硬式野球の日本一を決める「第20回全日本中学野球選手権記念大会 ジャイアンツカップ」は17日、東京ドームで決勝戦が行われ、北関東地区代表の取手リトルシニア(茨城)がボーイズリーグ代表の多摩川ボーイズ(ジャイアンツ U15 ジュニアユース、東京)に3-1で勝利し、4年ぶり2度目の頂点に輝いた。特筆すべき活躍だったのが、5回2/3を1失点の好投を見せた左腕・寺田塁投手(3年)だ。
多摩川ボーイズには、井端巧内野手や関蓮太郎捕手、小池樹里外野手(いずれも3年)らU-15日本代表がずらりと並び、準決勝までの4試合で33得点。そんな強力打線を相手に、寺田は丁寧に低めを突きながら、勝負どころでは腰を引かせるインコースや緩急を巧みに使って、5回まで無安打に抑え込んだ。見事な投球に多摩川・片岡保幸監督も「球に力があった」と脱帽するしかなかった。
身長は163センチとチーム内でも特に小柄だが、マウンドに上がれば最速136キロの威力ある直球を繰り出す。寺田の投球技術はどのように磨かれたのか。最も大きかったのは、トレーナー資格を持つ石崎学監督の下での肉体改造と、投手陣が取り組む通称「取手メソッド」だという。
中1の入団時の球速は110キロだったが、1日5食のたんぱく質中心の食事で、その夏には体重が8キロ増加、球速が10キロアップした。また、自体重1.2倍の重りを使ったスクワットや股関節を鍛えるトレーニング、肩甲骨と胸郭の可動域を広げるストレッチ、メディシンボールを使った出力アップトレーニングなどで体を鍛え上げた。

オープン戦番長を脱却…決勝戦で見せた“300点ピッチング”
入団時は身長149センチ・体重50キロだった体は163センチ・63キロまで成長。変化球もスライダーとチェンジアップ、2種類のカーブを身につけ、東京ドームの大舞台で能力を花開かせた。
エースナンバーを背負うものの、物静かな印象。メンタル面に少しだけ不安があったのは本人も、石崎監督も認める。「なかなか大きな大会で結果が残せない“オープン戦番長”だったんです。それが今日やっと実力が出てくれました」と指揮官。普段は滅多に選手を褒めないというが、試合後の優勝インタビューでは「寺田が200点、300点の投球をしてくれました」と語り、寺田は笑顔を見せていた。
「高校に進む前に大きな自信になりました。中学のうちに最速140キロを目指したいです」。小さなエースが秘める大きな可能性にこれからも期待したい。
(磯田健太郎/Kentaro Isoda)
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