“レジェンド”山本昌、独占インタビュー(上)激白「来年は5勝はできた」
32年間の現役生活に別れ、左腕が胸中明かす「一番はチームが3年連続Bクラスになったこと」
今季限りで現役引退した中日の50歳左腕・山本昌投手が、独占インタビューで現在の思いを激白した。ジェイミー・モイヤーのメジャー最年長勝利(49歳151日)を超える世界記録の達成が期待された今季、49歳363日での登板となった8月9日のヤクルト戦で左人差し指を痛め、わずか22球で降板。9月25日に自身のブログで32年間の現役生活に別れを告げることを発表した。
なぜ、このタイミングで現役引退を決断したのか。最年長勝利記録へのこだわりはなかったのか。来季も現役を続けたら、勝つことは出来なかったのか。レジェンドの胸中に迫った。
――あらためて、今年限りでの引退を決断した理由を教えて下さい。
「まず、今年はみなさんに世界記録をすごく期待されてシーズンをスタートしたわけですけど、結果的に出来ませんでした。普通に考えたら、50歳のピッチャーが0勝に終わって、来年も現役で出来る理由がどこにあるんだと。たまたま世界記録が目の前にあるから『もったいない』と言う方もいらっしゃいますけど、普通は50歳のピッチャーが、もっと言えば40歳を超えたピッチャーが0勝なら、辞めて当然だと思います。
あと、一番大きかったのはチームが3年連続Bクラスになったということですね。その中でガッツ(小笠原道大)が引退する。ベンちゃん(和田一浩)が引退する。谷繁(元信兼任)監督が現役引退する。チームを変えなきゃいけないのに、僕だけ残れば、これは足を引っ張るなとすごく思いましたので、ここで辞める時だな、決断する時だなと。
落合GMが監督時代、200勝した時に『これであいつは自分で引退を決められる選手になった』と言っていただいた。あの言葉をもらってからすごく長くやれました。逆にあの言葉に助けられてここまでやってきましたけど、ここで甘えちゃダメだと。ここで甘えると、あと何年甘えるのかと思い、自分で決断しました」