「規格外」の大谷翔平を封じるために…初対決で“流儀”を曲げた豪腕バーランダー
初対戦の相手の決め球にスライダーは投げない主義だが……
ア・リーグ新人王の有力候補に挙げられているエンゼルスの大谷翔平投手。ルーキーシーズンは打者として104試合に出場し、326打数93安打22本塁打61打点、打率.285の好成績を残した。二刀流として米国を席巻した大谷だが、米スポーツ専門メディア「スポーティングニュース」では、メジャー屈指の豪腕の証言とともに、打者・大谷の凄みを振り返っている。
「唖然とすべきルーキーイヤーで、ショウヘイ・オオタニはほとんど全ての障害を乗り越えた」として特集した「スポルティング・ニュース」。その中で打者・大谷について証言しているのは、アストロズのエース右腕ジャスティン・バーランダー投手だ。
「彼のアイハンドコーディネーション(目で見たことと体を動かすことを連携する能力)は規格外だ。彼はコンタクトすることに関しては本当にいい仕事をしているよ。特に、彼には厳しいボールも投げているが、ファウルにしてしまうんだ。彼には大きな敬意を払っている。カウント3-2からスライダーを初打席で投げたんだけど、初対決の相手に自分が普段することではないんだ。でも、彼はファストボールに対して何回も印象的なスイングを見せていたからね」
特集ではバーランダーの発言を振り返っている。大谷とバーランダーが初対決したのは5月16日(日本時間17日)のこと。2-0で3年ぶりの完封勝利を挙げた右腕は、大谷との初対決で4打数ヒットなし、3三振と押さえ込んだ。初回の第1打席ではフルカウントからの7球目にスライダーを投げて三振に仕留めたのだが、初対決の相手にスライダーを決め球にすることはメジャー最強右腕にとっては自身の流儀に反することだったという。そして、9回にはキャリア通算2500個目の三振を大谷から奪っていた。
初対決を経て、大谷はパワーでサイ・ヤング賞右腕に対抗した。14打数3安打で打率.214と押さえ込まれたが、二塁打2本に加え、8月25日(同26日)の本拠地での一戦では14号2ランをバックスクリーンに運んだ。
シーズン最終戦で、今季を総括した大谷は対戦した打者と投手で最も印象に残った選手を挙げていた。
「すごく難しいですけど、すごく印象に残っているのはバーランダー投手。すごく色々と僕も勉強になることがたくさんありましたし、ベッツ選手には先頭打者でホームラン打たれているので、そこは印象に残っています」
バーランダーも大谷の潜在能力を高く評価している。来季はどんな名勝負が繰り広げられるのだろうか。
(Full-Count編集部)