怪物・清宮が高校1年で刻んだ足跡 2015年全打席から見える凄さと課題
高校球界に現れたスターの原石、高校1年目はどのような足跡を残したのか
第46回明治神宮野球大会が終わり、2015年のアマチュア野球全公式戦も終了。高校球界では11月いっぱい認められている練習試合を消化し、冬の強化期間に入る。
今年の高校球界を振り返るとき、この男の話題を欠かすことはできないだろう。早実の清宮幸太郎。4月の入学から8か月たった今、野球ファンに知らぬものがいないスターとなった1年生の今年の活躍は、センセーショナルといっていいものだった。
夏の甲子園に4強入りし、U-18W杯で準優勝。練習試合を含めて放った本塁打は22本を数える。秋季都大会2回戦で敗れ、来春選抜こそ出場は絶望的だが、来夏の甲子園出場に燃えている。
そこで今回は清宮が出場した2015年の公式戦27試合120打席の全成績を公開し、データから見る怪物1年生の凄さと来年への課題を探る。
成績を見渡したときにまず気づくのが、安打数の多さだろう。高校デビュー戦となった4月9日・駒大高戦で初安打を決勝タイムリーで飾ると、以降は夏の甲子園大会を経て、U-18杯の8月28日・ブラジル戦まで15試合連続安打。全27試合で41安打を放ち、無安打はわずか3試合(うち2試合は故障の影響で途中交代)、早実の試合に限れば19試合すべてで安打を放った。
長距離砲のイメージが先行しているが、実は安打製造機といっていいかもしれない。その裏では、常にメディアから一発を期待されながら、「ホームランはヒットの延長で出れば。チームを勝たせるための1本が打ちたい」と繰り返してきたように、自分に求められる状況を常に冷静に判断し、チームへの献身的な打撃を貫いたことが作用している。