野茂が4度、黒田が3度達成…ド軍入り前田、出来高満額ゲットへ高いハードル
前田が出来高を全て手にするのは極めて難しい?
広島からポスティングシステム(入札制度)でドジャースに入団した前田健太投手の契約形態が大きな話題となっている。注目されたのは1シーズン毎に設定されたインセンティブ(出来高)の割合の多さだが、満額ゲットへのハードルは極めて高い。過去、条件を全て満たしたことがある日本人投手は野茂英雄、松坂大輔、黒田博樹、岩隈久志投手、ダルビッシュ有投手の5人だけだ。
まずは、前田の契約をもう1度振り返ってみよう。米ヤフースポーツの敏腕記者、ジェフ・パッサン氏のレポートによると、基本給は8年総額2400万ドル(約28億2000万円)。身体検査で肘に懸念材料が見つかったためとも報じられているが、1年300万ドル(約3億5000万円)という年俸は、これまでポスティングで海を渡った日本人投手に比べて低い。
その代わりに多額の出来高が付いている。パッサン記者は、前田の年間の先発が15試合に達してから、5試合ごとに100万ドル(約1億1700万円)が追加されるとしている。15試合、20試合、25試合、30試合と100万ドルずつが足され、32試合でさらに100万ドルが追加。最大で年間500万ドル(約5億8700万円)のボーナスが付く。
また、前田の投球回数が毎年90イニングに到達してから、10イニング毎に25万ドル(約3000万円)がプラスされるという。200イニング到達まで出来高が付き、最大で300万ドル(約3億5200万円)になる。これらの条件を満たすための最低条件となるアクティブ・ロースター(25人)入りのボーナス(15万ドル)も含めて、出来高だけで1年最大815万ドルになると、パッサン記者は伝えている。
つまり、各シーズンで32試合登先発(500万ドル)、200イニング(300万ドル)を果たせば、年俸は1115万ドル(約13億円)となる。
過去にこの2つを達成した日本人投手を見てみよう。