ドラ1小園は「すごい」「うまい」「冷静」―広島の選手たちが語る“素顔”

広島・小園海斗【写真:荒川祐史】
広島・小園海斗【写真:荒川祐史】

同期の大卒新人たちは脱帽「自分が高校を出たばかりの時期と比べものにならない」

 24日のオープン戦初戦・DeNA戦で対外試合初ヒットとなる左前安打を放った広島のドラフト1位ルーキー小園海斗内野手。2月1日の春季キャンプから1軍に帯同し、トップレベルの先輩たちを必死で追いかけている。

 同じ遊撃の田中広輔内野手と並んでノックを受けてもその軽快な動きに遜色はなく、フリー打撃では逆方向に強い当たりを連発。実戦では18日に起亜タイガースとの初対外試合で3球三振のほろ苦いデビューを味わったものの、オープン戦初戦で結果を残すのは大したもの。では、周囲の“先輩”は小園をどのように見ているのだろうか。

 同期入団で大卒のドラフト6位ルーキー正隨優弥外野手はキャンプ初日から一緒に自転車を買いに行くなど、共に行動することが多かった。正隨は高校時代、競争の激しいチームでもまれてきたが、「自分が高校を出たばかりの同じ時期とは比べものにならない。自分だったら、あそこまで落ち着いてプレーできないですよ」と脱帽。また、正隨と同じく同期入団で大卒のドラフト2位・島内颯太郎投手も「高卒であれだけ堂々とできるのはすごい。自分が高校を出たての時は絶対にできないです」と18歳の姿勢に驚きを隠せない。

 一方、キャンプ初日の声出しで戸惑った小園をいじった大卒7年目の上本崇司内野手は「落ち着いていますよね。守備もうまいし、冷静ですね」とライバルでもある小園を分析。4年目の西川龍馬内野手はオフの日に一緒に買い物に行くなど、キャンプ中に小園と共に行動することがあったそうだが、「良い意味で淡々としていますよね。プレーでも守備が上手いし、足も速い」と話した。

 1軍に帯同して1か月も経っていないのに、これだけチームに溶け込めている要因は小園の朗らかな人柄だろう。天真爛漫で裏表がなく、人懐っこい性格でもある小園。高校時代も2017年秋に藤原恭大(現ロッテ)と2人だけ、2年生で侍ジャパンU18代表に選出されたが、3年生に混じって物怖じせずプレーしていた。当時、主戦でマウンドに立った徳山壮磨投手(現早大)は小園について「アイツは可愛がられる性格ですよ」と話していた。小園自身もどこかアットホームなカープの雰囲気になじんでいるようで、同じ兵庫県出身の大卒5年目・野間峻祥外野手らと談笑することもある。

 すっかり赤色に馴染み、プレーヤーとしても光りを放っている背番号51。新しいカープの“顔”となる日も、そう遠くないかもしれない。

(沢井史 / Fumi Sawai)

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