ついに70歳の打撃投手誕生 ロッテ池田寮長はなぜ投げ続けられるのか

今月1日に誕生日迎えた驚異の70歳 ロッテ池田寮長、元気の秘訣は?

 5月1日、汗ばむ陽気の中、池田重喜寮長兼打撃投手はいつものように二軍の本拠地であるロッテ浦和球場のマウンドに上がった。若手選手相手に74球。打者に打ちやすいようにといつも同じテンポで、そして求められたところにボールを投げた。打撃投手としての職務を終えると、フッと深呼吸をして、ベンチに戻った。この日は70歳の誕生日。雲一つない五月晴れの空を眺めながら、充実した表情で汗を拭った。

「物心がついた時からずっとボールを握っているからね。まさかこんな年までユニホームを着ていられるとは思っていなかったよ。まずはこんなに健康に産んでくれた両親に感謝だよ。そしてこの仕事をさせてくれている球団に感謝だね」

 節目の70歳に本人は無関心を装う。しかし、周囲はそうはいかない。古希ながら、寮長という球団の重責を務めながら、打撃投手の名刺も持つ池田氏。この日もテレビカメラ2台が密着マークをした。本人は照れながらも、しかしこの年までプロ野球のユニホームを着ていられる幸せに浸っているように見えた。

 生まれたのは戦後翌年の1946年。大分県の津久見高校で2年夏に甲子園出場を果たした。67年にドラフト4位で大洋に入団。71年にロッテに移籍し、77年まで投手として現役でプレー。通算成績は155試合に登板をして13勝12敗。その後はコーチや裏方としてロッテを支え、2000年に寮長に就任した。コーチ時代も、寮長になってからも練習では若手選手に投げ続け抜群のコントロールを披露した。ならばと12年より二軍打撃投手を兼務。そして、ついにこの日、70歳の打撃投手が誕生した。

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