東海理化・立野が圧巻13K イチロー同郷豊山町出身のドラフト候補にスカウト熱視線

パナソニック戦に先発した東海理化の立野和明【写真:安藤かなみ】
パナソニック戦に先発した東海理化の立野和明【写真:安藤かなみ】

ソフトバンク千賀を参考に、オフにフォーム改造

 今年のドラフト上位候補・東海理化の立野和明投手が12日、東京スポニチ大会予選リーグ第1試合(横浜)で2失点完投勝利をおさめた。愛知・中部第一高から入社3年目を迎え、今年がドラフト解禁イヤー。横浜スタジアムのバックネット裏には複数球団のスカウトが集結し、MAX152キロを誇る右腕の投球をチェックした。

 立野はこの日最速148キロのストレートと縦に大きく割れるカーブ、鋭く落ちるスプリットなどでパナソニック打線を翻弄。最終回は連打を浴びて苦しんだが、9回142球を投げ切り、試合後には「ちょっと疲れました」と苦笑いを浮かべた。

 3者連続三振を2回記録するなど終わってみれば、13奪三振と圧倒し「三振を狙っていた」と胸を張る。中でも、この冬から強化してきたスプリットには大きな手応えをつかんだ。昨年の日本選手権に出場した際にはカウントを稼ぐボールとして投げていたスプリットを、空振りを奪うための決め球として磨いてきた。「実はカットやスライダーを投げるのが苦手。精度を上げるなら、投げやすいスプリットだと思った」とこの日も空振りを量産した。

 冬には二段モーションへ変更。ソフトバンクの千賀滉大投手の投球フォームを動画サイトなどでチェックし、リリースポイントを安定させることや右足に力をためることでボールに重量感を出せるようフォーム習得に取り組んだ。その成果はゲームの中でも実感。6回2死一塁で迎えた相手4番の片山に対して144キロの直球を投じ、右飛に仕留めた。「ボールが(伸びずに)戻ってきた。去年だったらスタンドに行っていたかもしれない」と満足気だ。

 愛知・豊山町出身の立野は志水小時代にマリナーズのイチロー外野手が大会長を務める「イチロー杯争奪学童軟式野球大会」に出場した。「イチローさんみたいに有名になりたい」と同郷の大先輩に憧れ、秋にはプロの扉をたたく。

(安藤かなみ / Kanami Ando)

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