東芝のドラフト候補右腕・宮川、6回に力尽きる「取られてはいけないところで…」
最速152キロ右腕は5回まで1安打9Kと好投も6回に制球難で3失点
今秋のドラフト候補に挙がる東芝・宮川哲投手(上武大)が第74回JABA東京スポニチ大会、日本新薬との決勝戦(神宮)に先発登板。5回2/3を投げ3失点で降板した。チームは日本新薬の先発・榎田、岩本から得点を挙げられず、0-4と完封負け。優勝にあと一歩届かなかった。
天を仰いだ。宮川は両軍が無得点の6回2死から田中に遊撃内野安打を許すと突如制球を乱した。2者連続四球を与えて満塁とされると、3つの暴投に2安打が絡んで3失点。無念の途中交代となった。「味方が点を取るまで辛抱と思っていた。0点でずっと来ていたし、取られてはいけないところで点を取られてしまった」と唇を噛んだ。
奪三振ショーが一変した。自己最速タイの152キロを計測したストレートとバッターの手元に鋭く食い込むカットボール、落ち幅の大きいフォークを操り、5回までに1安打、9奪三振。非の打ち所のない投球を披露していたが、勝負どころで踏ん張れなかった。5回2/3で108球、4安打3失点だった。
好調な日本新薬打線の長打を警戒したことが裏目に出た。「2アウトになって、1点もあげられない場面。高めのボールはなしで、低めを意識して投げた。それで肘が下がってフォームが小さくなっていたかもしれない」。苦い思い出がある。エースとして臨んだ東海大山形高3年夏の県大会準々決勝・米沢中央戦ではサヨナラ暴投を喫して敗れた。「次はまだ大会がある。しっかりやれるように」とリベンジを誓った。
今年の東芝は宮川、3年目の岡野祐一郎(青学大)と2人のドラフト候補が注目を集めている。岡野は今大会2試合で完封勝利をおさめ、その実力を十二分に発揮した。「岡野さんは先輩でもあり、ライバル」と話す宮川は今年がドラフト解禁イヤー。「勝っていけば必然的に見てもらえる機会が増えると思う」とまずはチームの柱として、目の前の1勝にこだわっていく。
(安藤かなみ / Kanami Ando)