子供のなりたい職業上位に「YouTuber」にトクサン困惑 「あまりおすすめはしません」インタビュー【後編】
トクサンの職業は「YouTuber」ではない IT関連会社で映像制作する会社員
今や野球少年たちに知らない人がいないと言われる野球YouTuber・トクサン。2016年8月にスタートさせた「トクサンTV」はまもなくチャンネル登録40万人を突破する勢いを見せ、再生回数は2億3000万回を突破。野球の上達を目指す少年や、草野球を楽しむ選手には必見のチャンネルになっている。3月4日に発売された初の著書「超 バッティング講座」は発売即、重版が決まるなど好調。野球の技術も高いトクサンは、どのような人生を歩んできたのか。「トクサンって誰」とまだ知らない野球少年の“お父さん”世代の疑問を前編、後編で解消します。(取材協力・IWA ACADEMY)
大学野球に別れを告げて、警備会社に入ったトクサン。しかし、野球をやりたい気持ちが再熱。同級生に誘われて硬式野球のクラブチーム「つくばクラブ」でプレーを始めた。一方で仕事には慣れず、過酷な労働環境でメンタル面も崩れ、2年で退職してしまった。
「今度は教員になりたいなと思ったんです。甲子園でいい思いをしているし、高校の監督をやりたい。自分で野球をやりながら、勉強をしていこうと。つくばクラブもやめ、草野球も始めた。バイトをしながらでした。そこで軟式野球にスイッチしました」
25歳の時だった。しかし、そんな自分の生き方に疑問を投げかけた。
「前の仕事を退職した理由をよく考えたら、それって環境のせいにしているだけで、“自分に負けた”わけで、何もできてないなと思ったんです。そんな人間が、子供に何を教えられるんだろうと純粋に思いました」
足元を見つめ直して、もう1度、仕事に就くことを決めた。草野球の軟式野球チームの母体となっていた通信関係の会社の業務に従事した。
「一生懸命、3年働いて、教員になりたいという熱量が残っているんだったら、教員になろうと思いました」
会社の社長に理解をもらい、3年勤務したのち、退職して、筑波大学に教職をとるために通った。その頃、トクサンTVでも登場している草野球チームの「天晴」に入部し、トクサンの相方的存在のライパチと出会った。その後、ライパチは個人でYouTubeを始めた。トクサンはYouTubeの存在は知っていても、見ることはほとんどなかった。