釜石が大船渡を撃破 失策→サヨナラ打の黒沢 悪夢から救った指揮官から一言
“令和の怪物”大船渡・佐々木は登板しなかったが、前日は速球対策
春季岩手県大会1回戦が18日、岩手県内各地で行われ、2016年にセンバツ出場経験のある釜石が延長10回、今秋のドラフト1位候補・佐々木朗希投手擁する大船渡にサヨナラ勝ちを収めた。
試合を決めたのは8回に痛い失策を犯していた「3番・三塁」の黒沢陸斗(3年)だった。
1点差に迫られた8回2死三塁。大船渡・吉田が打ち上げた簡単な飛球をな黒沢が落球してしまった。これで4点差を縮められ、同点に。一気に大船渡に流れが傾き始めた。
しかし、野球の神様は見放さなかった。延長10回に無死満塁のサヨナラの絶好機を黒沢に用意。燃えないはずがない。「自分のミスで同点にされてしまったので、強いゴロを打とうと思いました」とバットを振り抜くと、痛烈な打球は三遊間を破った。試合を決める「人生初」のサヨナラ打となった。
ミスをした直後、釜石・佐々木偉彦監督から「まだ負けたわけじゃない」「(黒沢の失策は)想定内だから」と声をかけてもらった。「フライのボールへの入り方が悪かった。甘さが出てしまいました」と黒沢は反省しきりだったが、指揮官の一言で気持ちを切り替えて、打席に入れたという。
大船渡の最速163キロ右腕・佐々木を打ち崩すために、前日は130キロの打撃マシンを前に出して、体感160キロで打ち込んできた。対戦はなかったが「それ(佐々木対策)よりは遅かったですが、しっかり引きつけて打つことができました」と振り返っていた。
(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)