最速124キロ女子・島野愛友利が“二刀流”デビュー 女子野球の発展願い、背番号は89
昨夏のジャイアンツカップで優勝投手になった最速124キロ右腕・島野が高校公式戦デビュー
第10回関西女子野球硬式野球選手権ラッキートーナメント大会が25日、和歌山・田辺スポーツパークで行われ神戸弘陵Aが9-0(5回コールド)で京都外大西Bを下した。昨夏のジャイアンツカップで優勝投手となった島野愛友利は「9番・三塁」でスタメン、投げても2番手で1イニングを無安打無失点の好投で公式戦デビューを果たした。
全国高等学校女子硬式野球選抜大会で史上初の2連覇を果たした強豪・神戸弘陵に頼もしいルーキーが加わった。最速124キロで昨夏のジャイアンツカップを制した島野が公式戦デビューで投打で活躍。初回の第1打席こそ「緊張して、先のことばかり考えていた」と3球三振に倒れたが、2回2死一、三塁で迎えた第2打席では遊撃へタイムリー内野安打を放ち高校初ヒット初打点をマーク。
9点リードの5回には2番手としてマウンドに上がり1イニングを無安打無失点。自慢のストレートで2つの見逃し三振を奪うなど圧巻の投球を見せつけた。
打っては3打数1安打1打点、投げては1回無安打無失点、2奪三振の活躍にも「緊張もあってフォームがバラバラだった。今のままなら打たれるし、先頭に四球を出していたらダメですね」と反省。それでも「弘陵で試合に出られたことが誇らしい、チームは夏も全国優勝を目指しているので貢献したい」と力を込めた。
この試合はケガもあってベンチから声援を送った主将の工藤里奈(3年)は「全ての面でチームの戦力になっている」と、島野の実力を評価。試合は大勝したが「本当なら3回で10点を取るつもりだった。もっと強い打撃をつけないと。ユース、春と優勝しているので、夏の大会も優勝して3連覇を目指す」と気を引き締めていた。
スタメンでは唯一の1年生となった島野。デビュー戦で結果を残したルーキーに石原康司監督は「3年生と遜色ないレベルだと思う。エースの佐伯(3年)を含め3人目の投手が出てくれば夏に向けて心強い。経験を積んでほしいし、今後は状態がよければ先発もある」と目を細めた。
神戸弘陵では入学から付ける背番号を3年間背負っていくが島野が選んだのは「89」。エース番号の「1」も空いていたが女子野球の普及、発展を心から願う島野はあえて“野球=89”を選択した。
中学時代は「大淀ボーイズ」で男子に交じりプレーを続け実力で背番号「1」を手にし日本一も経験。女子硬式野球での目標は「頭一つ、二つ抜けるような選手になっていきたい。チームは夏の全国優勝を目指しているので貢献して中心選手になっていきたい」と目を輝かせていた。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)