「自分でも怒られるのは嫌」 元プロBC新潟・清水監督は伸び伸び野球でV目前
日本ハム、オリックスで活躍したBC新潟の清水章夫監督
ルートインBCリーグの新潟は26日の栃木戦(小山)に4-5で敗れ、前期優勝マジック「6」のまま足踏みした。就任1年目でチームを率いるのは元日本ハム、オリックスの左腕、清水章夫監督。今年のドラフト候補で、6勝とチーム勝ち頭の中西啓太投手が5失点。「キレもコントロールもあるし、技術もある。いいピッチングを見せてくれるはず」と清水監督も期待していたが栃木打線につかまり5失点は誤算だった。
前期優勝マジック6はそのままだが、就任1年目で前期Vが手の届くところに来ている。近大からドラフト1位で日本ハムに入団。左の中継ぎとして、オリックス時代を含め17勝を挙げたが、2010年に引退。その後は球界を離れ、自転車店でスポーツバイクやマウンテンバイクの組み立て、販売をやっていたという異色の経歴。
それが突然、指導経験もなしに独立リーグのユニホームを着ることになった。巨人、メジャーで活躍し引退発表したばかりの上原浩治氏や高橋由伸氏、2000本安打達成のロッテ・福浦和也ら多士済々の昭和50年生まれの会、「昭和50年会」がとりもった。
清水監督も昭和50年生まれ。会の運営に携わる球界関係者から突然打診されたという。パートナーを探して、独立して自転車店をやるつもりだったが「独立リーグに来てしまった。想像していた未来の自分と全く違う場所にいて、不思議な感じがする。教えると言っても二人の息子(高校3年、1年)を教えたぐらい。自転車屋には無理やと言ったんですが」と笑った。
指導法は伸び伸び、放任で「自分でも怒られるのは嫌だし、ミスして一番わかっているのは本人ですから。19歳の練習生が2人いるが、自分の子供みたいに可愛い」と語る。伸び伸びやらせているのが、首位を走る原動力かもしれない。「野手では4番の樋口とか外野の石森もドラフト候補。NPBに指名されれば、これから野球を見る楽しみもふえる」とくったくがない。独立リーグに新風を吹き込みそうだ。
(細野能功 / Yoshinori Hosono)