渾身の勝負球が…大谷翔平にV打献上のア軍右腕「審判も人間」

決勝打となるタイムリーを放ったエンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】
決勝打となるタイムリーを放ったエンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】

外角低めカーブがボール→球審に抗議→V打献上→再び抗議→イニング終了で抗議→退場処分

■エンゼルス 6-4 アスレチックス(日本時間29日・オークランド)

 エンゼルスの大谷翔平投手が28日(日本時間29日)、敵地・アスレチックス戦で「3番・指名打者」で先発出場。同点の9回の第5打席で右前へ決勝2点打を放った。V打を献上した右腕ソリアは決めにいったカーブをボールと判定され球審に抗議。イニング終了後にも文句を付けそこで退場処分を受けた。試合後には「それもゲームの一部。審判も人間」と気持ちを切り替えていた。

 ソリアからすれば黙ってはいられない判定だった。4-4で迎えた9回2死二、三塁。1ボール2ストライクからの4球目。75.7マイル(約121.8キロ)のカーブが外角低めに決まったかに見えたが、捕手のフェグリーがキャッチミス。ミットに収めていれば球審の右手を誘うこともできたが、あっさりとボールのコール。

 いつもは冷静なベテランソリアは、ファール後に受け取ったボールを手に首を振りながら不満の意思表示。そして6球目。揺らいだ気持ちがあったのか、94.7マイル(約152.4キロ)のフォーシームが甘く入り右前に弾き返された。これが決勝の2点打となった。右腕は次打者プホルスの打席前にも文句を付け、イニング終了後には大きなジェスチャーで不満をぶちまけ遂に退場処分となった。試合の流れを変える判定について問われると、

「それ(納得にいかない判定)もゲームの一部。彼(審判)も人間というのは分かっている。彼がボールと言えばそれが判定。唯一の問題は僕のミスで得点を許し試合に負けたということ」

「とどの詰まりは、その次のボールで仕留められなかったということ。気持ちを取り直し、その次の球で仕留めることをしないといけないが、それができなかった。僕のミステイクだ」

 5試合ぶりの失点でチームの連勝を10で止めてしまった35歳右腕。通算664試合登板し、防御率2.95と安定感を誇るが、今季は25試合登板して1勝4敗、防御率4.73と今一つ。この日の明暗を分けた一球の判定に殊勝なコメントで気持ちを切り替ようとする姿にベテランの深みを感じた。

(木崎英夫 / Hideo Kizaki)

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