胃がん発見から2年、完全復活を目指す広島赤松の現在地 「まだ本物じゃない」
手術前に比べ体重、筋力はほとんど変わらない数値も「1軍のレベルには達していない」
胃がん発見から2年が経過し、1軍復帰を目指す男がいる。広島の赤松真人外野手。2軍では若手に交じり汗を流し、限られた出場機会で自身の体と向き合っている。
2017年1月に胃がんの手術を行い治療とリハビリを経て2018年にはウエスタンリーグで55試合に出場。打率.237、1本塁打、5打点、5盗塁と完全復帰に向け一歩を踏み出した。2年目となる今季は自身の進退をかけたシーズンと決めている。
「今はプロ野球の世界で現役としてプレーできていることに幸せを感じています。もちろん、1、2軍でしっかり結果を残したいですしチームの力になりたい。でも、手術を経験して今、野球ができることに本当に感謝しています」
闘病生活、リハビリを懸命にこなし公式戦に復帰し今年で2年目のシーズンを迎えた。体重や筋力は手術前とほとんど変わらない数値に戻ったが「まだまだ1軍のレベルには達していない」と口にする。
「手術をする前と数値自体は変わらない。でも、“質”の部分でというか、何て言っていいか分からないんですがまだ“本物”じゃないんですよね。1軍で試合に出ていた時を求めるのは年齢的にも厳しいのは分かっているんですが、判断力とか感覚の部分ではまだまだですよ」
2軍ではドラフト1位ルーキー・小園、同3位・林らカープの将来を背負う若手たちが優先的に出場の機会を得る。36歳のベテランもチームの現状は十分に承知している。少ない出場機会の中で“本来の姿”を取り戻すのは簡単なことではない。