独立L福島の元楽天・横山、NPB復帰へ意欲「秋のトライアウトに挑戦する」
6月20日に福島に新規加入「フィジカル面を含めて、今が一番いい状態」
BCリーグ福島に6月20日から新規加入した元楽天の横山貴明投手兼コーチ(28)が「もう一度、今年の秋のトライアウトに挑戦する」とNPB復帰への並々ならぬ決意を語った。
20日に南相馬市の「みちのく鹿島球場」で予定されていた福島-新潟戦は、降雨で1時間試合開始を遅らせグランド整備したが、再度の降雨で中止になった。同試合は震災復興イベントの一環として行われ、福島第一原発の事故で今も「帰宅困難地域」に指定されている双葉郡浪江町大堀地区出身の横山は思いもひとしおだった。
「震災以降、一度も実家に帰れていない。今は実家も取り壊されてない。父親は人材派遣会社を経営しているが、今は福島の伊達市。(津波で壊滅した)この球場(みちのく鹿島球場)は再建された後に、楽天2軍でも毎回先発させてもらった」
NPB通算3年で1勝4敗だが、初登板初勝利は2014年8月30日のソフトバンク戦。それもNPB36人目の「1球勝利」と珍しい記録の持ち主だ。現役続行の決意で、今年はメキシカンリーグのメキシコシティ・レッドデビルスでもプレーした。早大時代の1年後輩には今季早くも2桁勝利を挙げた日本ハム有原やロッテの主軸・中村奨吾がいる。
楽天退団後にサイドスローに転向し「フィジカル面を含めて、今が一番いい状態。この感じで楽天時代に投げたかった」と横山。福島では3試合に登板し、1勝1敗で防御率2.61。巨人3軍との試合では7回2失点で11三振を奪った。「福島でのプレーを選んだのは、野球人生が終わる時は、なるべく地元が近い所でプレーしたかったから」と話す横山だが、再びNPBの1軍のマウンドに立つ夢はあきらめていない。
(細野能功 / Yoshinori Hosono)