「上位いじめ」続けるオリックス 守護神・平野がペナントの行方を左右する?
ソフトバンク、日ハムに強さ見せるオリ、その中で光る救援陣の踏ん張り
クライマックスシリーズ進出が消滅してしまった中、オリックスが下位から見事な「上位いじめ」を展開している。9月2~4日の試合で日本ハムとのカードは1勝1敗1分け。続く9月6~9日のソフトバンクとの変則4連戦は3勝1敗で終え、ソフトバンクを一時2位に転落させた。
ルーキーの吉田正が強烈なフルスイングと豪快なホームランで注目を集めれば、35歳の糸井も史上最年長の盗塁王を視界に捉え、15日の日本ハム戦では1試合3ホーマーを記録。さらに中島も8月の月間打率が3割超と西武時代に見せた本来の打撃を取り戻しつつあり、西野、大城、園部といった若手選手たちも必死にアピールを続けている。
野手陣の活躍が目立つが、オリックス救援陣の踏ん張りにも目を配っておく必要がある。16日時点で、2013年ドラフト1位の吉田一が今季開幕から救援として計47試合に登板して防御率2.74。WHIP(1イニングあたりのヒット&四死球)も1.16とまずまずの数値を残し、左腕の海田も43試合で防御率2.29、WHIP1.05という数値をマーク。さらに自身初のオールスターにも出場した6年目の右腕・塚原もWHIPは1.38ながら防御率2.55。先発陣になかなか白星が付かない難しい展開となる中、救援陣が踏ん張りを見せて勝利につなげている。
そして、最後に控えているのが、守護神の平野。開幕当初は最速166キロを誇ると言われた新加入のコーディエがその座にあったが、不安定な投球を見せたため、その座を引き継ぐ形で2013年から守護神を務めていた平野が最後を締めくくるようになった。
入団から3年は先発を主な主戦場としていた平野は、岡田監督(当時)によりブルペンへ配置転換。これが見事にはまり、2010年は63試合に登板して7勝2敗2セーブ。80回2/3を投げ、防御率は1.67で、奪三振は101。シーズン先発0の救援投手としてはトップの数値を残した。