佐々木の八重歯、奥川のブルペン…ヒロドアナが届ける「見たことのない表情」
3日に現地入りし、雨中の試合取材とインタビュー 選手もリラックス
韓国・機張(きじゃん)で開催中の「第29回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」。「侍ジャパン」高校日本代表はオープニングラウンドを勝ち抜き、5日からスーパーラウンドを戦う。3日のパナマ戦ではテレビ朝日系で夏の選手権期間中に放送の「熱闘甲子園」でキャスターを務めるABCテレビアナウンサー・ヒロド歩美さんが現地で取材。「まだ見たことのない表情がたくさんありました」と夏の大会とは違う選手たちの姿を目に焼き付けた。
機張現代車ドリームボールパークに着くと、あいにくの雨模様だった。選手の表情を近くで見ようとベンチのすぐ近くで戦況を見守った。夏の大会は大きな歓声で選手たちの声はかき消されるが、国際大会は一言、一言がはっきりと聞こえる。その音に耳を傾けていた。
「バッターボックスに入る選手に向けて、みんな声を出していました。声の出し方もすごい。前のめり。全員の魂が打席に送られている感じがしましたね」
今大会はテレビ中継でも日本ベンチが映し出される。今まではライバル、敵チームだった選手が、同じ目標を持って戦っている姿が見られる。
「感動したのは(3回戦で対戦した星稜の)奥川君と(智辯和歌山の)池田君が隣で声を出し合っていたところです。池田君の表情が柔らかかった。意外な組み合わせじゃないけど、(近江の)林君の隣には絶対に(大船渡の)佐々木君がいるな、とか。意外と林君の声が高いし、佐々木君のジェスチャーも印象的です」
佐々木朗希投手のことは夏の岩手県大会で取材した。しかし、甲子園に出場した選手に比べて、その時間は短かった。佐々木がどんな性格なのか、どんな表情を見せるのか、知りたかった。それを視聴者に伝えたい。この大会では見たことのない佐々木の顔に出会えた。
「佐々木君は岩手大会でも声を張り上げていましたけど、こんなに笑って、八重歯があるんだ、と。そういう表情あるんだなと思いました。(興南の)宮城君や奥川君など高校に実際に行って取材した子もいれば、甲子園に出場していても、なかなかじっくりと話を聞くことができなかった(明石商の)水上君、(八戸学院光星の)武岡君、地方大会で負けてしまった(有明の)浅田君……。どういう思いで夏を超え、今戦っているのか、そんな思いを取材してリポートしたいと思います。まだまだ、見たことのない選手の顔がいっぱいありました」