ダルビッシュは「奪三振マシーン」 3戦連続12K以上の“偉業”達成、好投も痛恨敗戦
続投した9回に逆転許すも…「MLB史上でも22度しか達成されてない偉業」を達成
■カージナルス 3-2 カブス(日本時間23日・シカゴ)
カブスのダルビッシュ有投手は22日(日本時間23日)の本拠地カージナルス戦で9回途中7安打3失点12奪三振無四球と好投したものの、8敗目(6勝)を喫した。痛恨の6連敗でポストシーズン進出が極めて厳しくなった名門カブスで、日本人右腕は先発登板3試合連続で12奪三振以上という1908年以降では初の大記録を打ち立てたと地元紙「シカゴ・トリビューン」が報じている。
かつて巨人で活躍した相手エース、マイルズ・マイコラス投手との見応え充分の投げ合いを演じたダルビッシュ。8回まで1失点12奪三振と相手打線を圧倒していたが、9回に悪夢が訪れた。中堅の名手アルモラJr.が代打マルティネスの大飛球をグラブに当てながらもキャッチできず、三塁打とすると、そこから2失点。逆転を許し、無念の降板となった。
同紙によると、アルモラJr.は「この試合を勝てなかったことでがっかりしている。あのプレーは決めたかった。どんな当たりも捕球できるわけではないが、挑戦したんだよ」と痛恨の様子だったという。カブスは最後の攻撃で追いつくことはできず、あまりにも痛い6連敗を喫した。
そんな中で、後半戦絶好調のダルビッシュはある記録を達成したという。記事では「ダルビッシュは日曜日、カージナルスから12三振を奪った。カブスでは1908年以来、先発3試合連続で12奪三振を記録した初の投手となった」と伝えた。ダルビッシュは12日(同13日)の敵地パドレス戦で6回14奪三振、17日のレッズ戦で7回13奪三振、そして、この日は12奪三振を記録。名門カブスとしても、記録が確認できる1908年以降で初の大記録となった。
MLB公式サイトでも「少なくとも1908年以降で、彼はカブス史上初めて、3試合連続で12奪三振以上とした投手となった。MLB史上でも、22度しか達成されてない偉業である」とこの記録について紹介。また、ESPNは「ダルビッシュは奪三振マシーンであり、日曜日に8回1/3で12奪三振とした。そして、1920年以降、3試合連続で10奪三振以上を記録したカブス4人目の投手となった」と伝えている。
ジョー・マドン監督から9回のマウンドに送り込まれたダルビッシュ。名将からの信頼に喜びを示す一方で、ポストシーズン出場が絶望的になったチーム状況について、「この状況ではただただ言葉がない。申し訳ない」と悔しさをにじませたことも「シカゴ・トリビューン」は報じている。
前半戦は制球に苦しんだ日本人右腕だが、後半戦は圧巻の奪三振ショーで完全復活を果たし、カブスファンから「ユーイング」を浴びている。この日も逆転された直後に降板した際に、本拠地はスタンディングオベーションで力投を称えていた。苦しいチーム状況の中で、同僚やファンからの信頼を完全に取り戻しているだけに、奇跡のプレーオフ進出切符も何とか掴み取りたいところだ。
(Full-Count編集部)