「野球が好きな人にはたまらない」― プロ野球スカウトの仕事の裏側とは

“究極の野球好き”にかつての名選手も…プロ野球スカウトの秘話と仕事の裏側

 巨人が球団の人事異動を行い、山下哲司スカウト部長らが退任、新スカウト部長に元2軍監督の岡崎郁氏らが就任するなど、大幅な刷新で話題を呼んだ。その巨人には通算62勝を挙げた木佐貫洋氏がスカウトとして在籍するほか、ロッテでは通算85勝の小野晋吾氏が引退後に一時同職を務めるなど、現役時代に名を馳せた選手が転身することもある。

 とはいえ、プロ野球のスカウトといっても、ファンの間では「ネット裏でスピードガンを構えている」という印象があるくらいで、イメージがつかみにくい。果たして、実際にはどんな仕事をしているのか――。

 通常、各球団10人前後が在籍。関東、東北など、エリアごとに担当制を敷き、その上にチーフや部長が在籍する形式を取っているのが一般的だ。

「ドラフトで指名した時に安心して選手を預けてもらうこと。そのためにやれることはすべてやる」

 パ・リーグの現役スカウトは、仕事の理念をこう語る。この時期、マスコミ報道で話題となる「ドラフト候補詣で」も、その一つだ。

 高校、大学、社会人の始動日に練習場を訪れる。とはいっても、規定により、選手との接触は禁じられており、始動する監督、コーチら関係者に新年の挨拶を行い、練習は見守るだけ。これが、信頼関係を結ぶため大事な作業になる。

 昨季引退した黒田博樹が専大時代、広島・苑田スカウト(現スカウト統括部長)が下級生時代から最も足しげく練習場に通い続け、見守ったことが広島を逆指名する理由の一つとなったことは有名な話だろう。

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY