松中信彦氏が四国IL香川のGM兼総監督就任 引退から3年、“平成唯一の3冠王“が指導者に
2016年に現役を引退した松中氏は2004年に平成で唯一の3冠王に
元ソフトバンクで“平成唯一の3冠王”松中信彦氏が、四国アイランドリーグplusの香川オリーブガイナーズでゼネラルマネージャー兼総監督に就任することになった。30日、球団が発表した。
2016年3月に現役を引退した松中氏は野球解説者を務める一方で、子供向けの野球教室「松中信彦 ベースボールアカデミー」を開いて子供の指導にあたるなど指導者としても活動してきた。平成でただ1人の3冠王に輝いた打撃理論には定評があり、解説でスタジアムを訪れると、ソフトバンクの後輩のみならず、他球団の選手からアドバイスを求められることも多い。
松中氏は総監督として四国ILの若い選手たちの指導にあたり、指揮を執るだけでなく、その打撃理論などを他の指導者たちにも伝え、指導者の育成にも力を注いでいくという。その一方でGMとしてチームの編成面も司る。独自の眼力で潜在能力の秘める若手を発掘、育成していく。引退から3年が経ち、NPB球団ではないながらも、初めて“プロ球団”で指導者となる。
1996年のドラフト2位で新日本製鐵君津からソフトバンクの前身であるダイエーに入団した松中氏。3年目の1999年にレギュラーの座を掴み、23本塁打71打点と頭角を表す。2003年に123打点で打点王に輝くと、2004年には打率.358、44本塁打120打点で3冠王に輝いた。この年のOPSは驚異の1.179を記録していた。2005年にも46本塁打121打点で2冠。2000年と2004年はMVPにも輝いている。2015年を最後にソフトバンクを退団。現役続行を目指したが、入団には至らずに2016年3月に現役を引退した。
香川オリーブガイナーズは2005年の四国ILplus発足当時からリーグに加盟しており、今季が15年目。2007年からは元広島の西田真二監督は指揮を執り続け、今季で13年目となっていた。これまで、リーグ最多6回の年間優勝を誇るが、今季は前期3位、後期2位。3年ぶりにチャンピオンシップ進出も逃し、この日西田監督の退任も発表されていた。
松中氏は球団を通じ「この度、GM兼総監督に就任することになりました。香川県民のみなさんと選手、フロント、球団に関わる全ての方々と共に魅力あるチームを作って参ります。スタジアムでお会いしましょう!」とコメントを発表した。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)