ファンの新規開拓に尽力 プロ野球を究極のエンターテインメントに【パお仕事名鑑 Vol.8】
野球観戦の経験がない人のために、きっかけ作りの仕掛けを模索
グラウンドの上で輝く選手やチームを支えているのはどんな人たちなのか。パ・リーグで働く全ての人を応援する、パシフィック・リーグオフィシャルスポンサーのパーソルグループと、パ・リーグインサイトがお届けする「パーソル パ・リーグTVお仕事名鑑」で、パ・リーグに関わるお仕事をされている方、そしてその仕事の魅力を紹介していきます。
球団経営においてチケットの売り上げは生命線。重要なのは、動員やファンづくりのためのイベントやプロモーションだ。「ソフトバンクホークス 事業統括本部 マーケティング本部 営業戦略部」の若山鉄兵さんの仕事は、その仕掛けづくりや施策の企画・実施。来場のきっかけをつくり、球場演出、ファンサービスなどで満足してもらうことでチケットセールスにつなげる。とはいえ、そこに簡単な方程式はない。ないから大変だし、だからこそ面白い仕事でもある。
「今一番の課題だと思っているのは、新しいファンを増やさなければいけないということです。既存の野球ファンでしたら成功例もあってイメージしやすいんです。例えばポイント制度(タカポイント)をはじめ、ファンクラブ加入や会員登録してくれた方へのアプローチもしっかりできるようになった。ファンの方としっかりコミュニケーションをとってチケットを買ってもらう取り組みはできているんですが……」
既存の顧客に喜んでもらい、その一方で新たな来場者を開拓する。その両輪を回す。これが難しい。
「まず野球に興味をもってもらうとか、ホークスに興味を持ってもらうところからスタートしていかないといけないので、藁をも掴む思いというか、こうやれば正解というものがほとんどありません。裾野を広げるというのはとても難しい。そんな中でもこんなコンテンツをつくったら来てくれるんじゃないか、一度何かの機会で球場体験してもらったらまた来たいと思ってもらえるんじゃないか、そういう施策を強く意識しています」
新しいファンを意識して……という仕掛けの中で、一つの例が野球アニメとのコラボイベントだ。
「熱狂的なファンがいらっしゃり、かつ野球にある程度親和性があるコンテンツとのタイアップです。声優さんのトークショーに参加できたとか、他で手に入らないグッズが貰えたとか、声優さんの人気に助けてもらっているところが大きいのですが、意外とホークスのユニホームを着てくれているファンも多かったりするんです」
アニメ作品や声優を通じて野球に触れてもらう。今まで接点のなかった人に球場に来てもらうきっかけをつくって、「また来たいな」というものを提供していく。イベントはもちろん、球場という資産も武器となる。