帝京10年ぶりのVならず、前田監督「勝たせてあげたかった」 選抜出場は微妙
東京都秋季大会決勝は国士舘が2年連続Vで選抜出場当確
秋季東京大会決勝戦が10日、神宮球場で行われ、10年ぶりの優勝を目指した帝京は国士舘の好投手・中西健登投手(2年)に2安打無得点に封じられ、0-6で敗戦。準優勝に終わった。準決勝は創価に9回サヨナラ勝ちして、勢いに乗って、勝ち上がった決勝の舞台。しかし、先制点を奪われたことで選手たちに気持ちの焦りが出て、与四球や失策などが点に絡んでしまった。
肩を落としながら、帝京・前田三夫監督は会見場に姿を見せた。「もう少し、打てると思ったんだけどね。ここ一番で打てないんじゃ、しょうがないよね……」。準決勝はソロ2発で追いつき、最後はサヨナラ勝利で創価を破った。関東一、日大三と強豪を倒してきたが、2年連続Vとなった国士舘の好投手、中西の前に屈した。
「中西くんのボールは伸びていて、変化球のキレもよかった。調子に乗らせてしまったよね。うちは先取点を取りたかった。選手もプレッシャーがあったんだろうね。そういう意味では点を取られてから、固くなってしまった。試合前はそうでもなかったんだけど……」
指揮官自身もこの日の中西の出来、球筋を見て、先に点はあげられないと感じたという。それは選手も同じで、予期せぬ守備の乱れから追加点を奪われた。流れを寄せられなかった。
勝てば10年ぶりの選抜(夏は2011年に甲子園に出場)が見えた戦いだった。「このチームはチャンスつかんできましたから。チームはピークも来ていました。勝たせたかったです。勝たせてあげられなかったのは残念です」と監督して勝利を導けず、悔しそうな表情を浮かべた。
東京の2枠目での選抜選出は、優勝した国士舘が15日から出場する明治神宮大会の結果や関東の代表校の兼ね合いもあるため、完全に消えたわけではないが、極めて厳しい状況に。「チーム自体はいい状態で来ましたから、こういう敗戦をした、というのはちょっとね……。どういう風に(チームをまた作り直)すべきか、今はまだ思いつきません」。試合終了直後とあり、気持ちの整理がまだついていない様子。ただ、強い帝京が再び戻ってきたことを印象付ける大会だった。
(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)