192球対218球! 滋賀学園の背番号10・棚原、延長14回完投で投げ合い制す
滋賀学園・棚原、東海大市原望洋のドラフト候補・金久保との計410球投手戦譲らず
第89回選抜高校野球大会第3日は22日、1回戦で滋賀学園(滋賀)が東海大市原望洋(千葉)を延長14回の末に6-2で下した。先発の背番号10・棚原孝太(3年)は192球で11安打12奪三振2失点で完投。218球で完投したドラフト候補の147キロ右腕・金久保優斗(3年)との投げ合いを制した。
両右腕が死力を振り絞り、マウンドに立ち続けた。
東海大市原望洋のエース・金久保は初回、安打と死球で2死一、三塁のピンチを招くと、三塁内野安打で先取点を与えた。
滋賀学園の先発・棚原は3回に安打と犠打で1死二塁とされると、中前適時打を打たれ、同点とされた。
直後の4回、東海大市原望洋の金久保は安打と2四球で1死満塁とされ、相手右腕の棚原に右犠飛を浴び、勝ち越しを許した。
滋賀学園の棚原は5回に死球と犠打で1死二塁のピンチを招き、中前適時打で同点。2-2と試合を再び振り出しに戻された。
以降は両者譲らず、得点圏に走者を進められながら要所を締めて熱投。延長戦に突入した。
試合が動いたのは延長14回だ。東海大市原望洋の金久保は先頭から連続四球で無死一、二塁。続く打者は一ゴロに打ち取ったが、一塁ベースを踏んで二塁に転送し、併殺を狙った一塁手が悪送球。この間に二塁走者が生還し、勝ち越し点を奪われた。さらに3本のタイムリーを含む4連打を浴び、4点を勝ち越された。結局、14回218球を投げ、11安打10奪三振6失点完投も力尽きた。
滋賀学園の棚原はその裏をしのぎ、14回192球を投げ、11安打12奪三振2失点で完投。背番号1の神村月光(3年)と2枚看板で秋を勝ち上がってきた背番号10が、ドラフト候補右腕との計410球の魂の投げ合いを制した。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count