パを彩る即戦力 「一発勝負」で腕を磨いた選手たちの魅力
即戦力として期待される社会人出身の選手たち
昨年のドラフト会議では、今井達也投手(埼玉西武)や藤平尚真投手(楽天)といった高校生や、田中正義投手(福岡ソフトバンク)、佐々木千隼投手(千葉ロッテ)といった大学生の動向に大きな注目が集まった。
その一方で、なかなか大きな注目を浴びることは少ないながらも、即戦力として期待され、指名されることが多いのが社会人野球に所属する選手たちである。
社会人野球は夏の「都市対抗野球大会」と秋の「日本選手権」が大きな注目を浴びる華やかな舞台。プロを目指す20歳前後の選手から、30代半ばを迎えるベテランまでが一堂にに会し、一発勝負のトーナメントの中で、レベルの高いプレーが繰り広げられる。注目度は夏の甲子園ほどではないものの、社会人出身の選手、特に全国大会での表彰経験のある選手は、プロで成功する傾向にある。ここでは過去5年(2012~16年)の大会で表彰された選手の中から、プロでその名を馳せるに至った選手たちを見ていきたい。
パ・リーグの社会人出身選手で今最も注目を浴びるのが、侍ジャパンの一員としてワールド・ベースボール・クラシック(WBC)にも出場した石川歩投手(千葉ロッテ)だろう。昨季は入団以来3年連続となる2桁勝利を挙げ、自身初のタイトルとなる最優秀防御率も獲得した。今や日本を代表する選手となったが石川も、中部大学から2011年に東京ガスに入社し、1年目から都市対抗野球のマウンドへ。3年目となった2013年には日本選手権で優秀選手として表彰を受けた実績がある。今年も涌井投手とともに、ダブルエースとしての活躍が期待される。