屈指のライバル関係は続く―大阪桐蔭、履正社の”大阪決戦”から見えたもの
大阪桐蔭14勝で履正社6勝、対戦成績より大きく意味しているものとは…
史上初の大阪決戦となった大阪桐蔭と履正社の第89回選抜高校野球決勝戦は、終盤に履正社が同点に追いつき、予想通りの熱戦となったが、9回に大阪桐蔭が代打・西島の2ランなどで8-3とし、大阪桐蔭の2度目の全国優勝で幕を閉じた。能力の高い2年生の力が存分に発揮されただけでなく、大阪桐蔭の底力で掴んだ栄冠だった。
2校が府内での屈指のライバル関係であることは、今や全国的にも知られている。この選抜決勝を迎えるまで、両校の対戦成績は14勝6敗。内訳は大阪桐蔭が14勝、履正社が6勝。だが、この数字以上に大きく意味しているものがある。
近年だけで言うと、大阪桐蔭は12年の春夏連覇に加え、14年夏にも全国制覇を遂げている。そして今春の選抜の全国優勝。ただ、この流れには共通点があった。
14年選抜では履正社が準優勝を果たしていた。だが、この当時の履正社は前年秋、大阪大会の4回戦で大阪桐蔭と対戦し、13-1でコールド勝ちを収めている。そのため、大阪桐蔭の選手たちは一層危機感を持ち、冬場の練習の内容は実に濃いものとなっていた。春の府大会では決勝で履正社を8-5で下し、そのまま春の近畿大会に出場して優勝。その勢いで夏の甲子園を制したのだ。
昨秋は履正社が府大会準決勝で大阪桐蔭に7-4で勝ち、近畿大会で優勝。神宮大会でも優勝し、この選抜では優勝候補の筆頭として注目されていた。そんな中、最後の最後でその履正社を倒したのが大阪桐蔭だった。
つまり、履正社が全国大会で結果を残すと、大阪桐蔭は次の大会でそれ以上の結果を残しているのだ。