なぜ松中信彦氏は香川のGM兼総監督になったか? NPBへの拘りなし「若い選手を教えたい」
「若い選手と一緒に汗を流して、今の自分の技術、引き出しがどれだけ通用するんだろう」
2月1日、プロ野球12球団が宮崎、沖縄の両県で一斉に春季キャンプをスタートさせた。球春到来。野球人にとっての正月がいよいよやってきた。
それから遅れること2日。2月3日、香川県営第二野球場で1人のプロ野球OBが第2のキャリアのスタートを切った。平成唯一の三冠王である元ソフトバンクの松中信彦氏だ。
松中氏はこのオフ、四国アイランドリーグplusの香川オリーブガイナースのGM兼総監督に就任。2016年の現役引退後は子供たちに野球を教えながら、解説者を務めるなど活動してきた。そして、2020年シーズンから指導者としての第1歩を踏み出すことになった。
このオフ、Full-Countでは松中氏に単独インタビューを行い、NPBではなく独立リーグでの挑戦を決断した胸の内を語ってもらった。
――独立リーグの香川のオファーを受けようと思ったのは、何故でしょうか?
「指導者として新人ですし、なかなかいきなり総監督とGM兼務のオファーというものはない。どちらかというと、GMの方にすごく惹かれましたね。NPBでもそういう役職にはなかなかつけないですから。やっぱ自分でチームを作れる、色々できるっていうところはすごく魅力を感じました」
――指導者としての思いは持っていたのですか?
「引退して4年ですけど、子供達を今教えたりしていて、教えたいなと思っていました。近年、バッティング理論も変わってきてるので、若い子達に教えたいという考えが出てきていました」
――独立リーグのオファーでした。
「プロを目指す選手をまず教えないといけないのかなと。まだ指導者としては1年目ですから、若い選手と一緒に汗を流して、今の自分の技術と言うか、引き出しがどれくらい通用するんだろう、と。このバッティング理論で絶対、プロにいってほしいなと思います。育てがいがあるかな、是非チャレンジしたいなと思い、就任を決めました。プロに行きたい子達に教えて、なんとしてもプロに入ってほしいなっていう思いから、話を受けることにしました」
――NPBへのこだわりはありませんでしたか?
「別にどこでも良くて、あまりこだわりはありませんでした。やっぱり若い選手を教えたいっていうところがすごくあって。どれだけできるのかなと不安もありますけど、若い選手と一緒にやるというのが、今の選択としてはベストかなと思った。まだまだ勉強しないといけないですし」