“今大事なのは数字ではない”―本塁打のイチローが地元紙に胸中明かす
地元紙が特集記事を掲載、「最も困難なシーズンにフラストレーション」
マーリンズのイチロー外野手が11日(日本時間12日)、敵地でのパイレーツ戦に「7番・右翼」で11試合ぶりに先発出場し、今季2号本塁打を放った。マーリンズは1-3で敗れたものの、3打数1安打で3試合連続ヒット。メジャー通算3046安打として、歴代24位ロッド・カルー(3053本)まで残り7本とした。ただ、打率はまだ.198と2割に届かず。マーリンズでは4番手外野手として3年目のシーズンを迎えているが、今季は特に出場機会が少ない中で状態が上がらず、試合後には地元メディアに対して複雑な胸中を明かしている。
イチローはこの試合、2回の守備で相手投手ノバの右翼線への当たりを、逆光の中で最後はジャンプして捕球。まずは守備で魅せた。打席では2打席凡退後、3点ビハインドで迎えた8回に先頭で3度目の打席へ。ここで、この回から登板した右腕ハドソンの93マイル(約150キロ)の直球を捉え、痛烈なライナーで右翼席に飛び込むソロ弾。マーリンズはそのまま敗れたが、存在感を見せた。
本塁打は古巣の本拠地セーフコフィールドで劇的な一発を放った4月19日のマリナーズ戦以来、今季2本目。2014年からは1本塁打のシーズンが続いており、複数本塁打は2013年(7本)以来、4シーズンぶりとなった。状態は少しずつだが、上向いているように見える。ただ、イチローは出場機会の少ない現状について、地元メディアに「非常に難しい」と吐露している。
地元紙「マイアミ・ヘラルド」は「43歳、イチロー・スズキは最も困難なシーズンにフラストレーションを感じている」とのタイトルで特集記事を掲載。イチローが43歳で、現在打率.198という事実にも触れながら、「イチロー・スズキ、恐らくは遂に年齢を感じさせている彼は日曜日、マーリンズに唯一の得点を与えた。彼はPNCパークで本塁打を放った。しかし、彼のライトへの一打はこの日本野球界の象徴にとって、今シーズン数少ない素晴らしい瞬間だった」と伝えている。