DeNA「育成の手を止めるわけにいかない」 ドラ1森ら若手の“リモート指導”を導入

オンライン会議システムを利用し、メモを取りながらコーチの指導を受けるDeNA・森敬斗【写真提供:横浜DeNAベイスターズ】
オンライン会議システムを利用し、メモを取りながらコーチの指導を受けるDeNA・森敬斗【写真提供:横浜DeNAベイスターズ】

ファーム施設に固定カメラ26台、ライブ配信&録画機能利用

 DeNAは18日、新型コロナウイルス感染拡大をうけ、若手の“リモート指導”を導入していると明らかにした。チームは現在、選手を4グループに分け、本拠地横浜スタジアムとファーム施設DOCKの2か所で自主練習を行い、監督・コーチやスタッフも最小限の人数で対応している。リモート指導は3月下旬から、経験の乏しい若手や新人が集まるDOCKに導入しているという。

 DOCKにはメーン球場と室内練習場に計26台の練習撮影用固定カメラが設置されており、ライブ配信と録画が可能。自主練習中、現場のコーチは常時1人に限定されているが、ほぼ全選手・コーチ・スタッフにパソコンとタブレットが支給されていることから、コーチ全員が映像を共有できる。ファームのコーチ陣は毎朝、“オンライン・ミーティング”を開催し、指導法などを協議。コーチの選手に対する指導も、オンライン会議システム「Zoom」などを使って行われているという。

 18日に“オンライン会見”に臨んだファーム運営グループの桑原義行リーダーは「1軍の選手はある程度自己管理ができますが、ファームの若手には自分をコントロールできない選手も多い。チームとしては、こういう状況でも選手育成の手を止めるわけにはいかないので」と説明した。

 大村巌ファーム打撃コーチは「リモートで練習を映像で確認できるとともに、選手の状態も把握することができ役に立っています」とコメント。練習の録画を使っての指導も行っており、「画面を通してではありますが、振り返りでは選手が自身の目的、実行、反省、課題のサイクルに対して考えるようになり、内面的な成長を感じています。直接会ってコミュケーションを取る機会は少ないですが、引き続き活用していきたいです」とうなずく。

 ドラフト1位ルーキーの森敬斗内野手(桐蔭学園高)は「自主練習期間中でも監督・コーチの方々に練習している姿を確認して頂けることはうれしく思います。質問などをすぐ聞きにいける環境ではないので、コーチとの振り返りでは、1日の課題、目標を決め、それに対してどのようにアプローチできたのかなど、今まで以上に1日1日をより大切にするようになりました。もちろん、コーチの方々がいる時でも課題はあるのですが、より明確にしないと無駄になってしまうので、課題に取り組む意識はより高まっていると思います。自分の考えで行動することが身につく良い期間になるかなと思います」と、非常事態ならではの方式を前向きに受け止めている。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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