MLBの更なる繁栄へ 新コミッショナーが見据える「未来」とは
マンフレッド氏がマニフェストに掲げる「One Baseball」
どんな組織や社会、あるいは家族においても、その土台がしっかりしていなければ、いくら上部が光り輝いていようとも、朽ち果てるのは一瞬のことだ。まさに砂上の楼閣で、頂点に立って指揮を執る人物は、「今」に配慮しつつも、常に「未来」を見据えた決断や行動をしていかなければならない。
1月25日に第10代メジャーリーグ・コミッショナーに就任したロブ・マンフレッド氏(以下コミッショナー)が、就任の挨拶としてファンに向けてしたためた手紙を読み、改めてそう思った。
コミッショナーは自らのマニフェストの1つとして「One Baseball」という言葉を掲げている。「One Baseball」とは、野球に関わるすべてのプロとアマチュアによるパートナーシップ、つまりプロとアマの間に垣根を設けず、1つのベースボール・コミュニティとして未来の野球の発展のために動いていこうということだ。
メジャーリーグ機構(MLB)は、これまでも前コミッショナーのバド・セリグ氏を中心に、幼い子供たちをはじめ一般社会に野球を浸透させようと努力を重ねてきた。野球教室を開いたり、試合に子供たちを招待したり、学校訪問をしたり、シーズン中はもちろん、オフシーズンも選手たちは「普及活動」に勤しむ。