今季最も得をするのは引退選手? 米メディア「満額を得る唯一の存在になり得る」

レンジャーズとの契約を残して引退したプリンス・フィルダー氏【写真:Getty Images】
レンジャーズとの契約を残して引退したプリンス・フィルダー氏【写真:Getty Images】

試合数削減による年俸減額案の影響を受けない大型契約を結んだ引退選手たち

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で開幕が延期されているメジャーリーグ。12日(日本時間13日)から7月4日(同5日)の独立記念日前後に無観客で行うなどとした開幕案を選手会と協議している。一方でMLB選手会が難色を示しているのは試合数に応じて決まる年俸削減案だ。

 そんな中、米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」は「現役でない選手たちが今季満額を得ることができる唯一の存在になり得る」と特集。今季最も得する選手は、大型契約を結んで支払いが現在も続いている引退した選手や解雇となった選手だという。

 正式に開幕日が決まっていないが通常のシーズンよりも試合数は削減されることが確実となり、MLB機構が進めている年俸削減案に選手会側は猛反発。記事ではまず「今シーズンの最高給取りは、2016年7月18日以降1度も試合に出ていないかつての強打者になるかもしれない」と指摘し、2017年に現役を引退したプリンス・フィルダー氏の名前を出している。

 フィルダー氏は2012年にタイガースと9年2億1400万ドル(約229億円)の大型契約を結んだが、13年11月にレンジャーズにトレード。そして2度の首のヘルニア手術を受けるなど満足いくプレーができない状況となり現役引退を決断。レンジャーズからもリリースされていた。

 引退したものの2020年までの契約年俸は保障されており、フィルダー氏は2400万ドル(約26億円)を受け取ることができるという。新型コロナの影響で現役選手と同じく減額の対象になる可能性もあるが、記事では「この選手たちはもはや40人ロースターに入っておらず、彼らの契約で定められた保証金額は労使協定によって守られると思われる」と伝えている。

 そして記事では、フィルダー氏と同様の形で今季年俸が保障されている選手として、元中日のチェン・ウェイン投手を紹介している。2016年に5年8000万ドル(約87億円)でマーリンズに加入するも昨年オフにリリースとなり、その後マリナーズとマイナー契約を結んでいた。「マリナーズはもし彼がメジャー契約を結んだ際には、彼にリーグ最低保証年俸を支払うことが義務付けられている。そして(古巣の)マーリンズが彼の残りの2200万ドルを請け負うことになる」としている。

 加えて2019年シーズン後のオフにヤンキースからリリースされたジャコビー・エルズベリー外野手にも言及。2013年オフに7年総額1億5300万ドル(約166億2200万円)の超大型契約でヤンキースに移籍するも、怪我が重なり2017年シーズンを最後に1度もプレーすることなく退団となっていたエルズベリー。本来であれば違約金を含めた2600万ドル(約28億円)を受け取る資格があったものの、球団が承認していないリハビリ施設を利用したとして、球団は支払いを拒否している状態となっている。2600万ドルがエルズベリーに対して支払われるかどうかは現在も不透明な状況だ。

(Full-Count編集部)

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