「松井秀喜との対戦は面白かった」 名手たちが脳裏に刻む「名勝負」の記憶
スター選手たちが繰り広げた「名勝負」の数々
今月7日、「サントリードリームマッチ2017」が開催された。巨人の調子が今ひとつということで、普段は多少、空席が目立つ今年の東京ドーム。しかしこの日ばかりは、ビール片手に多くのファンで超満員。22回目を迎えるこのイベントも、まさに「真夏の恒例行事」となって来た。
ここに出場する選手たちはこれまでのNPBを支えてきたスーパースターたちばかり。彼らのプレーを見ていると当時の名シーンがフラッシュバックする。東京のど真ん中に位置する東京ドーム(旧後楽園球場:東京ドームの前身1937~87年)という「箱」も過去の名勝負を支えてきた。
「打席に立つといろいろ思い出す。例えば、場所が東京ドームだからなんだけど、桑田君(真澄・元巨人)なんかと対戦すると、『ああいう雰囲気だった。球筋もああだったなぁ……』ってね。抑えられたり、逆に打ったり……。いろいろな投手と対戦したことが思い出されますね」
そう語るのは「トリプル・スリー(3割30本塁打30盗塁)」を達成した元カープ野村謙二郎氏(※1)。走攻守3拍子が揃った名内野手は、学生時代に活躍した神宮から東京ドームへ場所を移しても躍動した。
嘘か本当か、「絶好調男」中畑清氏(元巨人、元横浜監督※2)はいつものノリでこう語った。
「面白い話がある。“ひげ”の斎藤明雄(元大洋、先発、リリーフで活躍した)。アマ時代から抑えられて、プロでも最初そうで、嫌な投手だった。それで俺が選手会会長になって、斎藤が副会長になってから立場が逆転。最初の頃は、俺が打席に入ったら『1死取れる』ってマウンド上でクスクス笑ってたんだよ。環境変わったら、素直に打ちやすい良いボールを投げるようになった。それからは大好き。今でも本当に仲が良いしね」
「後楽園でプレーした時間が長いのかな。春や秋は寒いし、夏は本当に暑かった。だから東京ドームができた時は感動したよ。本当に快適だったしね」